ブレンダ・パターソン

ブレンダ・パターソン(生産限定紙ジャケット仕様)

ブレンダ・パターソン(生産限定紙ジャケット仕様)

■Brenda Patterson
相変わらず味のあるリイシューで評判の韓Big PinkからCD化された、女性スワンパー、ブレンダ・パターソンの73年の2枚目。もともとはアラバマ・ステイト・トゥルーパーズのコーラス隊だったアーカンソー出身のパターソンがソロになったのは70年。Epicの副社長ラリー・コーンに見出されて「Keep On Keepin' On」('70)でデビュー。コーンが新たにトップとなったPlay Boyレコードからコーンが引き抜く形で73年にリリースされたのがこの「Brenda Patterson」。
ジム・ディキンソン、ジョージ・トービン、チャーリー・ブレント、ジョン・カーンの複数のprod'erがいる割にこのアルバムはまとまっている。いぶし銀のような枯れたパターソンのvoが光るし、ライ・クーダー(g)をはじめとするバックのがんばりも目立つのだ。
そのクーダーの名演が光る"Dance With Me Henry"はジョニー・オーティス作品。ある意味このLPを象徴させる草の匂いのするスワンプ・チューン。リズム隊はLA・ゲッタウェイのクリス・エサリッジ(b)とジョニー・バーベイタ(ds)。"The Crippled Crow"と"Hold And Old Friend's Hand"は、sswのドナ・ワイエス作品。ワイエスはリタ・クーリッジに曲を提供したことで知られる人で、一番有名なのはジャッキー・デシャノンと共作した"Bette Davis Eyes"。共にharpが聞ける曲で前者はブルース・カーノウ(JD・メイネスのsteelもいい)、後者はワイエスが担当(この曲はトレイシー・ネルソンやリタ・クーリッジもカヴァー)。ビル・ウィザース作の"Hope He'll Be Happier With Her"はもうブルーズだ。クーダーもカヴァーしたtradの"Jesus On The Mainline"は、ヴェネッタ・フィールズ、ワイエス、ドナ・ウォッシュバーンらのコーラスもゴスペルムードを高める。gはクーダーとウェイン・パーキンス。ジェリー・リー・ルイスの古いロックンロール"End Of The Road"ではホンキー・トンクなpianoをディキンソンが弾き、クーダーとパーキンスがgを弾く(ソロはパーキンス)ベスト・トラック。マン=ウェイル作の"I'm Gonna Be Strong"はストリングスが入りやや異色の都会的なナンバー。シャーリー・マシューズ、クライディー・キングも加わってブラックベリーズが顔をそろえることに。まるでフェイシズの"Stay With Me"な"Mine All Mine"に続く"Bury Me Down By The River"は、ラスティ・ヤングのsteelの入ったシンプルなバラード。曲はビージーズのカヴァーでこれまたゴスペル色濃いナンバーだ。ジェリー・ガルシアとの仕事で知られるジョン・カーン(b)が参加した"In My Girlish Days"は、異色のフォーク・ブルーズでクーダーがmandを弾く。そのカーンがprodした"Congratuations"はポール・サイモン作でシンプルな美しさがある。ガルシアのバンドでもおなじみのマール・サンダーズ(org)も参加。