ハットフィールド&ザ・ノース

Hatfield & The North

Hatfield & The North

■Hatfield & The North
久しぶりにじっくりハットフィールズの1枚目を聞いてみました。よく知られてる様に、スティーヴ・ミラー(kb)、フィル・ミラー(g〜元マッチング・モウル)、ピップ・パイル(ds〜元ゴング)、リチャード・シンクレア(b,vo)による再結成デリヴァリーが母体となっていて、スティーヴ・ミラー脱退後デイヴ・シンクレア(元キャラヴァン)そしてデイヴ・スチュワート(元エッグ)に最終的にkbが落ち着き、コーラス隊のノーセッツを加えてハットフィールド&ザ・ノースとして73年にVirginからデビューしています。
初聞きは79年頃に買った英国盤LP(例のコイケにて購入)で、その後ビクターからのCDを借りて、米CarolineのCDを購入。結局現行の英EsotericのCDに落ち着いてます。やはりジャケットを含めたトータルの魅力があるなあと改めて感じます。A面B面それぞれつながった組曲形式で、切り貼りも実にスムーズ。SEの"The Stubbs Effect"に続き、シンクレアが歌う"Big Jobs"ではvoとミラーのgのユニゾンが痛痒い感じ。"Going Up To People And Thinking"はロバート・ワイアットスキャットをフィーチャーした感動的な"Calyx"への前奏曲的な意味合いがあって、とてもジャジーインプロヴィゼーション。"Son Of 'There's No Place Like Homerton'"は、ヘンリー・カウのジェフ・リーのsaxとflが入ったものでユーモラスな表情を見せるもの。後半にはノーセッツのコーラスをフィーチャー。そして意外とボサノヴァ的な軽やかなgも聞けるスキャットの"Aigrette"そしてエキサイティングなgとorgの応酬の"Rifferama"でA面は終了。アナログ時代何度聴いた事か!
"Fol De Rol"は悲しげなシンクレアのvoが聞けるもの。電話のベル、通話音を使ったSEが効果的。synのソロのある長尺の"Shaving Is Boring"では、ある意味トランス系か。後半走る音、ドアの開閉音、そして"Big Jobs"、"Aigrette"の一節の引用、ノーセッツのコーラスもフィーチャー。"Licks For The Ladies"はシンクレアのvoとスチュワートのel-pをフィーチャー。同じ流れで"Bossa Nochance"そして再び"Big Jobs No2"へと流れ,gはカッティングを繰り返すなど同時代のクロスオーヴァー的。トーン・ジェネレーターをきかせたくすんだorgのソロあり。"Lobster In Clevage Probe"は、レイのflをバックにアマンダ・パーソンズ、バーバラ・ガスキン、アン・ローゼンタールのノーセッツのコーラスをフィーチャー。"Gigantic Land Crabs In Earth Takeover Bid"は、ノイジーなミラーのgをたっぷりフィーチャー。そして"The Other Stubbus Effect"は再びSEとなる。
本編はここまでで、今までのCD同様ボーナストラックとして"Let's Eat Real Soon"と"Fitter Stoke Has A Bath"のシングルが入っていて、今回初CD化となったサンプラー「V」からの"Your Majesty Is Like Cream Donut Incorporating Oh what A Lonely Lifetime"の別ヴァージョンが入っている。


"Fol De Rol"を歌うワイアット。