アメリカン・ルーレット

American Roulette

American Roulette

■American Roulette:Danny O'keefe
ダニー・オキーフはワシントン出身のsswで、一般的にはフォーク〜カントリースタイルの"Good Time Charlie Got Blues"のヒットで知られている人です。71年のデビュー作「Danny O'keefe」(Cotillion)はスワンプ的な泥臭さをもったもの。件の"Charlie"はこれが初出ですが、ヒットしたのは次の「O'keefe」からの再録ヴァージョン。次がぐっとソウル〜ジャズ寄りになった「Breezy Stories」('73,Atlantic)で、アリフ・マーディンのprodによるNY録音。ダニー・ハサウェイが参加したことでも知られます。で4th「So Long Harry Truman」では、ジョン・ボイランがprodでカントリー・ロック路線に戻っています。ここにはグレンダ・グリフィスがカヴァーした"Quits"を収録。
さて続くのが本作5th「American Roulette」('77)でWarner Brosにレーベルを移してのもの。日本盤LPは79年頃来日を記念して遅れて出た覚えがあります。いわゆるフォーキーなsswとしてのイメージだけでなく、ファンキーなソウル〜ジャズ的な作品をやるといったイメージもあるオキーフですけど、今回は元ジェイ&アメリカンズのケニー・ヴァンスのprod。"The Runaway"、"You Look Just A Girl Again"など都会的なファンキー・ミュージックをバックに歌われるものと、"All My Friends"、"In Northern California"などフォーク〜カントリー・ロック的なものが混在した内容です。前者はマイク・メルヴィン(p)、アルヴィン・テイラー(ds)、レジー・マクブライド(b)、ジョン・ホブス(kb)、デイヴィッド・パーラト(b)らが参加していてややモノトーンな印象。後者は、デイヴィッド・リンドレー(steel,fdl)、ゲイリー・マラバー(ds)が参加。どちらも魅力がありますが意外性で前者かな。朝焼けをバックにした疲れた男のジャケットも印象的です。