ミスター・ファンタシー

■Mr.Fantasy:Traffic

Mr Fantasy

Mr Fantasy

トラフィックのプチマニアとしては、67年のこのデビュー作を収録曲の違う米盤(UA)でもそろえてたことが一種のステイタスだったなあ。今では簡単にCDで聞けるけど。スペンサー・デイヴィス・グループを辞めたスティーヴ・ウィンウッド(g,kb,b,vo)がヘリオンズのデイヴ・メイスン(g,b,sitar,vo)とジム・キャパルディ(ds,perc,vo)、ロコモーティヴのクリス・ウッド(sax,fl,kb)と結成したのがトラフィック。デビューシングルの"Paper Sun"(#)、次の"Hole In My Shoe"(#)ともにインド志向をあらわにしたサイケデリックな作風で大ヒットしたが、バンドの音楽性はもっと濃いR&B的なものでシングルはシングルと割り切った感がある。
よく言われるようにメイスンと他の3人はいかにも曲調も距離があり、浮いている。ここでのメイスンは白人らしいサイケデリック・ポップな世界で、おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさがある"House For Everyone"、sitarが全編フィーチャーされた"Utterly Simple"、ビートルズっぽい"Hope I Never Find Me There"の3曲がメイスン作品で、12月に英国でリリースされた時点ですでにメイスンは脱退。遅れてリリースされた米盤LPはジャケットは3人でメイスン曲は"House"とシングルの"Hole"のみとなっている。
残りはウィンウッド主導のナンバーで、"Dealer"でキャパルディがvoを取る以外はウィンウッドがvo。かなり熱いロック・ナンバーの"Dear Mr.Fantasy"、フォーキーna"No Face No Name No Number"など聞きものは多い。