#3■いにしえの魔術:アルジャナン・ブラックウッド

ブラックウッド傑作選 (創元推理文庫 527-1)

ブラックウッド傑作選 (創元推理文庫 527-1)

どうしても洋ものは怪奇幻想系が多くなる。創元推理文庫から78年に出た「ブラックウッド傑作選」にはいろんなタイプの怪奇小説が入ってますが、探偵小説的合理性をもったジョン・サイレンスものを3篇収録。サイレンスものは、国書刊行会のドラキュラ叢書から初訳出された際「妖怪博士ジョン・サイレンス」だったことを考えると、現在創元推理文庫に入っている「心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿」の方がましか。時代柄ホームズ的なニュアンスもあり。
心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿 (創元推理文庫)

心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿 (創元推理文庫)

そのサイレンスものでも「犬のキャンプ」と並んでいろんなアンソロジーにもあらばれている「いにしえの魔術」は、ブラックウッドの代表作ともいえる。前世の記憶に誘われて怪しげな街の囚われ人となった男の回想談。The Ancient Sorceries、紀田順一郎訳。