組曲「夢魔」

■L'Araignee-Mal:Atoll

組曲「夢魔」 (紙ジャケット仕様)

組曲「夢魔」 (紙ジャケット仕様)

たまにはユーロ・ロックを聞いてみる。かつてキングから出たユーロ・ロック・コレクションで一番狂喜したのはこのアトールでした。79年頃名前のみ知られていた仏プログレの代表選手の力作が、英Ariola経由でやっと紹介されたのがこの2枚目。当時はプログレ受難の時期で、英国バンドはどれもパワーダウンし、その隙間を縫うように、キングやフォノグラムが、ヨーロッパのそれまで名前だけ知られていたバンドを、続々と紹介し始めたのです。このアトールは、仏のイエスとよばれていたバンドで、その緻密な構成力に参った…アンドレ・バルザン(vo)とクリスチャン・ベア(g)は、仏のイエスのふさわしい表現力でとりわけゲストのリチャール・オーベール(vn)のプレイも光ります。
一番好きなのは冒頭に入った"Le Photographe Exorciste"(悪魔祓いのフォトグラファー)。ストリングス・シンセが時代を感じます。