ライ・バック・アンド・エンジョイ・イット

Lie Back and Enjoy It

Lie Back and Enjoy It

■Lie Back And Enjoy It:Juicy Lucy
69年にデビュー作をVertigoから出したあとピート・ドブソン、ニール・ハバード、レイ・オーウェンが抜け、70年に新メンバーを補強してリリースされたのがセカンド「Lie Back And Enjoy It」。メンバーはクリス・マーサー(sax,kb)、キース・エリス(b)、グレン・キャンベル(steel)に、ポール・ウィリアムス(vo〜元ズート・マニーズ・ビッグ・ロール・バンド)、ミッキー・ムーディ(g〜元トラムライン)、ロッド・クームス(ds)。基本線は前作同様ながらスワンプ志向が生まれ、サイケ色が後退している。たたみかけるようなdsがカッコイイ"Thinking Of My Life"は、ムーディーのシンプルなリズムgが鋭い。ウィリー・ディクソンのカヴァー"Built For Comfort"は、キャンベルのsteelとマーサーのorganのからみがカッコイイ。ブルージーでダルな"Pretty Woman"はスワンプ〜サザン・ロック的なムードをもったもの。#44まであがったシングル曲(このB面がボーナスに入った"I'm A Thief")。南部志向はカントリー・ロック的な"Whisky In My Jar"でも顕著。ここでのスライドはムーディーだろうか。途中キャンベルのmandolinソロもあり。ボビー・ウィットロックの2枚目に入った"Hello LA Bye Bye Birmingham"は共作者にデラニー・ブラムレットの名前があるが、初出はジューシー・ルーシーのこのLPではないか?これまた鋭いsteelの入ったサザン・ロック・スタイルのブギ。ハバード=キャンベルの作品なので、前作のアウトテイクかもしれないが、"Changed My Mind"は大陸的な広がりをもったスワンプ。"That Woman's Got Something"は、フォークブルーズ的なもの。ヘヴィな"Willie The Pimp"は、ザッパのカヴァーでウィリアムスのたたきつけるようなvoが印象的。そしてラストのピアノの小品"Lie Back And Enjoy It"は美しすぎるメロディ。僕はスタイル・カウンシルを思い出した。