12020■■□夜霧の恋人たち('68仏)

監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ジャン・ピエール・レオー、クロード・ジャド、デルフィーヌ・セイリグ

「大人は判ってくれない」、「二十歳の恋〜アントワーヌとコレット」に続くアントワーヌ・ドワネルもの第3作。前2作にあったシリアスな感じは影をひそめ笑える要素が増えています。これが映画デビューとなったクロード・ジャドとデルフィーヌ・セイリグ(「ジャッカルの日」が印象的だった)の2人の恋に板挟みとなるJPLのうじうじした感じが相変わらずでほっとさせる。とりわけ枯れたイメージがあったセイリグのセクシーな人妻ぶりにはびっくりで。アラン・レネの実験的映画に出ることが多かったのでなじみが薄い人ですが再発見。JPLがホテルでの修業時代にウールリッチの「暗闇へのワルツ」(トリュフォーの次作「暗くなるまでこの恋を」の原作)を読んでたり、ローレル&ハーディーのお面をかぶった子供たちが出てきたり、戦後間もないころに流行ったシャンソン"残されし恋には"(シャルル・トレネ)が流れたり(原題はここから取られている)といったお遊びの楽しい。ふられた憧れの彼女、コレット(マリー・フランス・ピジェ)もちらり。
英題Stolen Kissesで、LMのガイドでは最高点!