#3〜buffalo era(ii)

Again

Again

ブルース・パーマーの代役をジム・フィールダー、ディッキー・デイヴィス(マネージャー)、ケン・フォーシ(ラヴ)、マイルス・トーマス(ローディー)らに頼みながらツアーは続く。その間スティルスとヤングの間に緊張感が高まり、突然のパーマー復帰、ヤングの脱退という不測の事態にも、カナダのサイケバンド、デイリー・フラッシュからダグ・ヘイスティングス(g)を借り入れ、さらに67年6月のモンタレー・ポップ・フェス参加には、旧知のデイヴィッド・クロスビー(g,vo)をゲストに迎え6人体制でこのピンチを乗り切った。断続的にレコーディングされていた作品には、ヤング以外のメンバーが未参加のドリーミーな"Expecting To Fly"(絶対的な自信を持っていたヤングがこの曲のセールス不発(#98)に自信をなくし、再脱退のきっかけとなった)が含まれるなど、それまでのグループの概念にとらわれない自由な発想の楽曲が収められている。先行シングルとして"Bluebird"(#58)がリリース。スティルスの代表曲として今も君臨するこの稀代の名曲は、73年にベスト盤で出たロング・ヴァージョンが今なお未CD化というのが惜しい。

8月にヤングが復帰し、10月には「Again」という名前でセカンドLPがリリース。これ以前に「Stampede」という幻のセカンドが存在するという噂も昔からあるが、最近のインタヴューでフューレイは否定している。
さてこの「Again」からシングルになった"Rock And Roll Woman"(#44)は、ジェファーソンのグレイス・スリックをモデルにしたと言われているが、短期間在籍したヘイスティングスのgがフィーチャーされた唯一の曲という。オリジナル・メンバーに戻ったバッファローだが、相変わらずスティルス=ヤング間の確執、パーマーの素行(再び国外退去となりジム・メッシーナがbassとして参加)など問題続出で、一部で高い評価を受けながらバンドは「Again」(#44)リリース後のツアー中に空中分解('68.5.5)する。
「Again」録音後、各メンバーが個別で録音していたセッションをメッシーナとフューレイが中心となってまとめ上げたのが「Last Time Around」('68.7)。寄せ集め的な音源ながら、皮肉にも#42とチャート・リアクションでは最高位だった。
"Pretty Girl Why"は東海岸風のシャッフル・ナンバー。

"Uno Mundo"はラテン風味が強調されたナンバーで、はっぴいえんどの"はいからはくち"にも引用された。