#37盗まれたウルトラアイ


予算の関係で怪獣、宇宙人の出ない回を作らなければならなかったということは後に知ったこと。この逆境が幸いしてセブン史上屈指の名作が生まれた。脚本は市川森一で、同胞に裏切られた(捨石となった)宇宙人の少女が、同じ宇宙人のモロボシ・ダンに「ボクと一緒にこの星で生きよう」と告げられるシーンはいい。渋谷の五島プラネタリウムロケもあり、「アングラバー」なんて言葉も出てきて当時の風俗がしのばれる(GS崩れのバンドも出てくる)。(たびたび盗まれる)ウルトラアイ(このパターン多し)を探してアングラ・バーにやってくると観客がみなウルトラアイをかけている、というシーンは映画「魚が出てきた日」のワンシーンを思い出す。マゼラン星人マヤを演じた吉田ゆりは、当時高校生で後に香野百合子と名前を変えて、「太陽にほえろ」で殿下の恋人役で出てたということは後で知った。