77年の「Full House」（Chrysalis）はやはりフランキー・ミラーの最高傑作だ。前作「The Rock」が重いサザン・ソウルっぽい出来だったのに対しやや軽くロック度を増したのが本作。prodはクリス・トーマス。FMBを解散させ、クリス・スチュワート(b)をそのままに新たにFull Houseを結成。メンツはハイウェイのジム・ホール(kb)、レイ・ミネット(g)、グラハム・ディーコン(ds)。アンディ・フレイザー作の"Be Good To Yourself"のカッコよさは群を抜くが、ルー・アン・バートンも取り上げた"The Doodle Song"もソウルフルだ。同じhornsを入れた感じでもそれほど暑苦しく感じない。"Jelous Guy"はジョン・レノンの有名な曲で完全にミラー節となったソウルフルな出来。"Searching"はボブ・ジョンソン&ピート・ナイト作で、しみじみとしたバラードだが,stringsは余分か。元スティーライ・スパンのナイトがジョンソンと共作したコンセプトLP「King Of Elfland's Daughter」('77)にもミラーは参加。 [rakuten:auc-euclid:10006328:detail] ナット・キング・コールのカヴァー"Love Lettters"は軽快なメロディが印象的なヤツ。"Take Good Care Of Yourself"、"Down The Honky Tonk"は、メンフィス・ホーンズが参加した力強いロックンロール。クリス・スペディング(g)、ゲイリー・ブルッカー(kb)の参加はどこまでなのか？とかレコーディング場所が明記されてなかったりとかなぞの多い1枚だけど好き。
