ボックス・トップス(The Box Tops)

後にビッグ・スターを結成してオルタナ世代にも人気のアレックス・チルトンをフィーチャーした60'sのブルー・アイド・ソウルがボックス・トップスです。メンフィス出身でダン・ペンのprodでデビュー。この時点でチルトン(vo,g)、ビル・カニンガム(b)、ゲイリー・タリー(g,vo)、ジョン・エヴァンス(kb)、ダニー・スミス(ds)の5人組。67年の最初のヒット"The Letter"(#1)は、ジョー・コッカーのヴァージョンで知りましたが、原曲を聞くと余りにあっさりしすぎでびっくり。作者のウェイン・カーソン・トンプソンはボックス・とップスの主要曲を書いています。同じ年に「The Letter」(Bell)というデビュー作が出て、ここから"Neon Rainbow"(#24)もヒット。プロコル・ハルムの"A Whiter Shade Of Pale"や"Everything I Am"での黒い喉ぶりは、ジョー・コッカーも意識したでしょう。68年のセカンド「Cry Like A Baby」は、より南部っぽい音でel-sitarがビュンビュンうなるタイトル曲は#2まであがった、ダン・ペン=スプーナー・オールダム作品。ミッキー・ニューベリー作の"Weeping Analeah"も収録。68年にはもう1枚「Non Stop」もリリース。ここには"Choo Choo Train"(#26)が入っていました。最終作となった「Demensions」('69)から"Soul Deep"(#18)のヒットが生まれましたが、この曲は忘れもしませんが、パット・シモンズの来日公演で相方のクリス・トンプソンが歌いました。
95年にAristaから出たこのベスト盤(その後いろんなベストが出ています)は、すべてのシングル曲が入ってるわけではないやや中途半端な内容ですが、南部の白人R&Bバンドのたどってきた道がわかります。決してロック方向に進むわけでなく独自の路線を貫いたチルトンは、バンド解散後ソロを経てビッグ・スターを結成します。