ネッド・ドヒニー・ファースト

WC080★★★★NED DOHENY ('73)

Asylumの全カタログ中最もAsylumらしい、と書かれたのは79年に再発されたワーナーからの日本盤の帯。ちなみにその帯には、「たった1枚のアルバムが、カリフォルニアへの夢、アサイラムへの憧れを満たしてくれるなんて夢のようだ。繊細な感性を、甘酸っぱいメロディとシンプルなアコースティックサウンドにのせて歌いあげたネッド・ドヒニー青春の記念碑」という印象的なヘッドコピーが。これだけでこのアルバムがいかに愛されてきたかがわかります。LAのビヴァリー・ヒルズのセレブ出身のドヒニーは、Elektra Music RanchというElektraの新人発掘キャンペーンで見いだされ、デイヴ・メイスン&キャス・エリオットに曲を取り上げられ注目されました。
デイヴィッド・パーラッタ、ブライアン・ガロファロ(b)、ゲイリー・マラバー(ds)、ジミー・キャレリ(kb)から成るシンプルなバッキングがゆえに楽曲のメロディーを引き立てます。グラハム・ナッシュがコーラスで参加した”On And On”、乾いたgが印象的な”Fineline”、力強いpianoが光る”I Know Sorrow”など捨て曲なし。
日本盤LPは東芝時代に出て、79年にワーナーから再発。CDも世界に先駆けて90'sに初CD化。長らく廃盤にでしたがCollector's Choice Musicから再CD化(タイトルが白文字のオリジナル仕様)。そしたら負けじと紙ジャケでワーナーが出し、今回新名盤探検隊として廉価で登場。
76年のColumbiaから出した「Hard Candy」では白人ソウル的な部分が拡大し、ここにあった痛み、悩みを伴った青さ、真っ直ぐさは失われてしまいました。AORの重鎮として日本ではいまだに根強い人気を誇ります。

原盤 Asylum:SD5059 73年リリース