14002■■■天国と地獄('62日本)

監督:黒澤明
出演:三船敏郎山崎努仲代達矢香川京子、佐田豊三橋達也

もう何度も見直してるのでさすがに新たな発見はないけど、黒沢の現代劇ではやはり一番好きです。とりわけ後半の黄金町の麻薬街の描写は相当怖いです(当時の描写を生かしたセット)。主人公権藤の屋敷と対照的に描かれる犯人のアパートの描写もまたリアルです。ほっとさせされるのは江ノ電の電車音の描写をする沢村いき雄。後昔から気になってた仲代演じる捜査主任の戸倉警部の片腕で田口部長刑事(石山健二郎)のあだ名がボースンというのは、英語のboatswain(甲板長=ボースン)から来てるのでした。あと声ですぐわかる新聞記者の三井弘次、加藤武木村功、土屋嘉男、名古屋章、藤田進、志村喬の警察の面々も印象深いです。サイコーなのは、「ブリキは燃えねんだよ!」と悪態付く焼却炉のオヤジ、藤原釜足です。第二こだまの7cmの窓の隙間から落とされる鞄は、吉田カバンの製作だそうです。