14014■■空の大怪獣ラドン

監督:本多猪四郎
出演:佐原健二白川由美、平田明彦、

世界初のカラーによる怪獣映画が、このラドンでした。東宝オリジナルの3匹目(正確にはお座敷怪獣メガヌロン(メトロン星人よりも早く「畳の上に登場した怪獣・宇宙人」とか)をいれると4匹目)。特撮部分だけでなくサスペンスフルに展開する本編のストーリーもよく出来ています。阿蘇の炭鉱を舞台にし、荒々しい炭鉱夫の気質をさりげなく描写し伏線としたり、「記憶喪失」を使って同時代の米国のSF映画放射能X」からの引用を明らかにするなど結構細かいです。
後半の福岡での特撮シーンでは、ラドンの風圧で吹き飛ぶ瓦など実にリアルで、何度見てもすげーと思います。破壊される岩田屋さんという百貨店は現在も地元では老舗のデパートとして有名だとか。あと一度は自衛隊の戦闘機に撃ち落とされながら、佐世保西海橋の美しいアーチをくぐりぬけるようにして水中から復活するラドンの雄姿も印象的です。