■華麗なるヒコーキ野郎('75米)


監督:ジョージ・ロイ・ヒル

昔のユニヴァーサルのロゴから始まる、30年代の中西部を舞台にした飛行機乗りに捧げるノスタルジックなドラマです。狙いはロイ・ヒルロバート・レッドフォード・コンビの前作「スティング」の線のようですが、一人足らんからどうも弱い。第一次大戦に従軍したパイロットたちが、終戦後個人営業のパイロットとして、アクロバット飛行を見せたり、お客を乗せて遊覧飛行を楽しませながら、各地を飛行機と共に旅するようになりました。
冒頭の飛行機の見世物にネブラスカの田舎町の人々がゾクゾク集まってくるような、楽しげな感じ(リチャード・バックの「イリュージョン」を思い出す)が持続しないのです。この最初の部分で、戦争でドイツのケスラーと戦ったとレッドフォードは嘘をつくのですが、後半この伏線が生きてきます。曲芸で死んでしまうスーザン・サランドンが哀れですが、この人まさか熟女になって、もう1回ブレイクするとは思いませんでした。