■殺しの分け前・ポイントブランク('67米)

監督：ジョン・ブーアマン
ハードボイルド映画というと、チャンドラーやハメットなどの私立探偵を主人公とした流れがまずあって、そして、仏産フィルム･ノワールに影響された、犯罪映画も同じようなタッチで撮られてることが多いです。英国人監督ブーアマンの渡米第1作になる、「ポイントブランク」は、リチャード・スタークの「悪党パーカーシリーズ」を原作としてますが、企画を持ち込んだのは、主演のリー・マーヴィンで、パーカーならぬウォーカーを演じます。マーヴィンとアンジー・ディッキンソンとの共演と言うと、ドン・シーゲル監督の｢殺人者たち｣(こちらは原作は、ヘミングウェイ）を思い出しますが、出来はこっちの方が上。フラッシュバックを多用したブーアマンの作風を、ハッタリと見る向きもありますが、67年の時点で、この手法はずいぶん斬新だったはず。特にいきなり、マーヴィンが撃たれるシーンで始まるオープニングは、衝撃でした。クールの一言で済まさせるが、マーヴィンがカッコいい。舞台は、最初と最後が、アルカトラズ島。
他には、ジョン・ヴァーノン、キーナン・ウィン、ロイド・ボックナー、キャロル・オコーナーら、この時代の作品でしか見られない人たち。