個人的な投稿でしかも長くて、申し訳ないです。

今年も残り10日で後1~2冊読めるかな?ってところですがこちらの読書グループのお仲間にもずいぶん世話になりながら結構充実した読書ライフでした。とりあえず10冊あげましょう。今夜はまず5冊。順番ありません。*は17年刊行

ひとがた流し(北村薫新潮文庫)
・終りなき夜に生れつく(恩田陸講談社)*
・南部芸能事務所(畑野智美、講談社)
騎士団長殺し第1部・第2部(村上春樹講談社)*
・罪の声(塩田武士、講談社

一番読んだのは北村薫で、去年の今頃は時と人3部作しか読んだことなかった位だったんですが、ベッキーさんもの、円紫さんと私ものなどを読破。その中でも北村さんのハマるきっかけとなった「ひとがた流し」です。次は宮部みゆきの10冊ですが、肝心の新作はまだ順番待ちですし「三鬼」はやや期待外れだったんで今回珍しくセレクトしてません。

その次が恩田陸です。本格的ブレイク後も、スタイルは不変。ダークな「夜の底は柔らかな幻」のスピン・オフになる「終りなき夜に生れつく」を入れました。再読も多く(「ネクロポリス」こんなによかったっけ?と言う感じでした)この辺も例年通りのパターン。

4番目に初めての作家ー畑野智美が8冊でした。図書館の話は正直イマイチだったのですけど、「南部芸能事務所」シリーズは群像劇として面白かった。ただ文庫化された表紙が世界観ちがってなんだかなあと言う感じでしたが(ファンの方すいません)。

順位はないと書きつつ一番コーフンしたのは村上春樹の「騎士団長殺し」です。いったいどうなるのか?とハラハラした村上作品は久々。今年は「ハードボイルド・ワンダーランド」や「カフカ」を読みなおしたあとだったので余計に面白く感じました。

去年の文春ミステリで1位だった「罪の声」は借りるのが遅くなり今年になりました。グリ森事件をモチーフにしたあっとおどろくエンタメ傑作です。
新しい作家にチャレンジするにあたっては信頼できる(好みが近い)スジの口コミがやはり役に立ちます。FBの読書グループや「読書メーター」の目利きの方々には今年もお世話になりました。

・流(東山彰良講談社
・笑う招き猫(山本幸久集英社
・世界の果てのこどもたち(中脇初枝講談社
・さよならの手口(若竹七海、文春文庫)
・イギリス怪談集(由良君美編、ちくま文庫

「流」は少し前の(又吉芥川賞の時の)直木賞受賞作で台湾の歴史を知るともっと楽しめたろうビルディングスロマンです。

名前は知ってましたがなかなか機会がなかった山本幸久の「笑う招き猫」はくしくも玲奈さんの出演映画でもあったと後で知りました。15年前の作品ですが、芸人ものです。

同じく名前は知ってましたが、中脇初枝も初めて。これも中国大陸を舞台にしたスケールの大きな大河ドラマ的な話で、基本的な知識があればもっと楽しめただろう(つまり再読が楽しみ)もの。

面白いのですが、とにかく読むのに時間がかかった若竹七海の女探偵、葉村晶ものの「さよならの手口」はハードボイルドなのですが、とにかく内容が濃い。このシリーズまだあるので楽しみです。以上4人は今年初の作家さんたち。他にも原田ひ香、大崎梢も今年初の方々でした。安定の佐々木譲、長島侑、吉田修一あたりは再読も多いし、冊数も多いので票が割れてしまいましたが、新しいのが出れば読みたい人たち。

最後に夏ごろに急に古色蒼然とした英国怪談にハマり、久々に翻訳ものを多く読んだ年になりました。再読が多いのですけどちくま文庫の「イギリス怪談集」はヤフオクで落とした甲斐はありました。もうモダン・ホラーよりも怪談と言う感じのクラシックなムードに惹かれました。