女性名#9

俺と仲間
■Shirley / Ron Wood
イアン・マクレガンの弾くARPシンセがなんとも時代を感じさせる"Shirley"は、74年のロン・ウッドのファーストソロ「俺と仲間」から。「Cancel Everything」というタイトルで出ていた事もあるが、正確には「I've Got My Own Album To Do」という。ストーンズ(まだ未参加)からキース・リチャーズ、ミック・テイラー、ミック・ジャガー、フェイシズ(在籍中)からロッド・スチュワート、イアン・マクレガン、他にはウィリー・ウィークス(b)とアンディー・ニューマーク(ds)のリズム隊、初期のロッド作でおなじみのマーティン・クインテットン(g)、チャンター・シスターズ(vo)ら豪華ゲストを加えた、リラックスしたセッション。今では在籍期間がテイラーやジョーンズを抜いて、ストーンズの顔の1つとなったウッドだけど、ここではいろんなタイプの曲を試している。泥くさいナンバーから洗練されたソウル風バラードまで。またファンキー・ミュージックへのトライとしてインストの"Crotch Music"がセレクトされているのも面白い。
"Shirley"は、ビリー・プレストンを思わせるsynから始まってなんともルーズなノリを見せるナンバー。確かシングルになったんじゃなかったっけ?

08010 1974 HOBO'S CONCERTSⅣ・君のまわりをひとまわり:VA

1974 HOBO'S CONCERTS IV?君のまわりをひとまわり? (紙ジャケット仕様)
76年にベルウッドからリリースされたホーボーズ・コンサートの第4集。1974年と言うビミョーな時期の音源だ。74年から76年にかけては、ssw的な音が商業的に評価され、だんだん流されつつある時期。海の向こうでそうだったのだから、日本へは1年遅れと見ていいのだけど、幸か不幸かここに収められた4組のシンガーはほとんどが弾き語りのフォークスタイルなので、商業的云々というのはあまり関係ないか… 朝野由彦と言う人は全く知らなかったけど、力強くそれでいて叙情的な"ろまんす"は名曲だな。大塚まさじとの共演、"我儘者の唄"はややふざけすぎ。名古屋出身のいとうたかおというと、"あしたはきっと"を思い出すけど、"Blues"はラングストン・ヒューズの詩を引用した、フォークブルーズでなかなか歯ごたえある。個人的にお目当てだった"水を一杯"は、センチをバックにしたカントリー・ロック・スタイル。"26号線"で知られるダッチャも弾き語りとなると、弱いかな。"街角"はいいけど、"道端の男"は暗い。友部正人には圧倒的な存在感があり、ここでの3曲はどれも印象深いけど、面白いかどうかは別問題。"金もないが悩みもない"は、かなりイタい。
原盤:キング/ベルウッド:FJSP21