アンディ・ボウン(Andy Bown)


ハード、ジューダス・ジャンプのbass。現在はステイタス・クオーに参加するボウン(kb)はMercury、GMに何枚かのソロがあるけどどれもCD化されていない。内容はハード時代の同僚ピ−ター・フランプトンに通じるポップなものなのに…夫人のキャロライン・アッタード(vo〜ストーリーテラー)、ジミー・ホロヴィッツ(kb)、クリス・ベルショウ(b)、ミック・ウォーラー(ds)、ニコ・ラムズデン(g)らが参加。「Gone To My Head」('72)はジャケットもいい感じなのに。

75年のTV番組「スーパーソニック」のテーマ曲はクリス・スペディング(g)と共演。

スワンプウォーター

WC026★★SWAMPWATER ('71)

バーズに参加するクラレンス・ホワイトとジーン・パーソンズがいたナッシュヴィル・ウエストというブルーグラス系バンド出身のギブ・ギルボー(fdl,g,vo)は元々ルイジアナ出身で、南カリフォルニアに移ってきてこの伝説的なナッシュヴィル・ウエストに参加したわけ。解散後69年に組んだのがスワンプウォーターです。

ジョン・ビーランドのストリングスベンダーが冴えるカントリーロックで、ギルボーのケイジャンフィドルが随所で活躍。ストーン・ポニーズから独立したリンダ・ロンシュタットやアーロ・ガスリーのバックを務めたりしながら、KingとRCAに1枚ずつLPを出しています。どちらも同じ「Swampwater」と言うタイトルですが71年の2枚目は変形ジャケながら、カット盤が多く入荷し中古屋に多く流れていました。
僕はこっちの方が好みでした。後期バーズのクローン的ですが、ラリー・マレイが書いた”She Headed For The Country”なんかいい味を出してましたね。結局2枚出してバンドは解散。ギルボーは映画「明日に処刑を」(スコセッシ監督の初期作品)の音楽を担当しましたが、この人の一番有名な作品はロン・ウッドロッド・スチュワートがカヴァーした”Big Bayou”でしょう。

原盤:RCA:LSP4572 71年リリース。

ボックス・オブ・フロッグス(Box Of Frogs)

BOX OF FROGS

BOX OF FROGS

ヤードバーズのクリス・ドレア(g)、ジム・マッカーティ(ds)、ポール・サミュエル・スミス(b,vo)が84年に結成したバンドでvoに元メディシン・ヘッドのジョン・フィドラー(vo)が参加。ゲストでロリー・ギャラガー(g)、マックス・ミドルトン(kb)、ジェフ・ベック(g)といったヴェテランが加わった84年の「Box Of Frogs」(Epic)は同窓会的なノリもあってヒット。85年の「Strange Land」ではフィドラーに代わって、ロジャー・チャップマン、イアン・デューリー、スティーヴ・ハケットらがvoとして参加。こちらにはジミー・ペイジ(g)もゲスト。

★★LADIES OF THE CANYON−Joni Mitchell ('70)

Ladies of the Canyon

Ladies of the Canyon

ジョニ・ミッチェルは、カナダ出身の女性sswで、一時はグリニッジ・ヴィレッジ周辺で歌ってましたが、カリフォルニアにやってきて67年に、当時バーズのデイヴィッド・クロスビーのprodでデビューしました。ジュディ・コリンズが歌った"青春の光と影”(Both Sides Now)、バフィ・セント・メリーが歌った”Circle Game”、CSN&Yが歌った”Woodstock”など、初期にはシンガーというよりは、ソングライターとして注目されていた感じです。

CSN&Yやママ・キャス・エリオット、ジョン・セバスチャンら仲間は、LA郊外のローレル・キャニオンにあったジョニの家で共同生活を営んでました。特に当時ジョニと恋仲にあったグラハム・ナッシュはこの家の事を”Our House”の中で”Our house is a very very very fine house〜”と歌っています。この共同生活から様々な歌が生まれ、それらを録音したのがジョニにとって3枚目になる「Ladies Of The Canyon」でした。

シンプルなイラストが白に映える印象的なジャケットで、”Woodstock”や”Circle Game”の本人ヴァージョンを収録。それまでアコギやピアノの弾き語り中心だった世界にミルト・ホランドperc、ジム・ホーンのsaxなど動的なものが持ち込まれています。コーラスをダビングした"Big Yellow Taxi"や、CS&Nとしてもバーズとしてもクロスビーがカヴァーした”For Free”もいいですが、日曜の朝的な敬虔な気持ちになる"Morning Morgan Town"も素敵です。

原盤 Reprise:6376 70年3月リリース。

ボックス・トップス(The Box Tops)

後にビッグ・スターを結成してオルタナ世代にも人気のアレックス・チルトンをフィーチャーした60'sのブルー・アイド・ソウルがボックス・トップスです。メンフィス出身でダン・ペンのprodでデビュー。この時点でチルトン(vo,g)、ビル・カニンガム(b)、ゲイリー・タリー(g,vo)、ジョン・エヴァンス(kb)、ダニー・スミス(ds)の5人組。67年の最初のヒット"The Letter"(#1)は、ジョー・コッカーのヴァージョンで知りましたが、原曲を聞くと余りにあっさりしすぎでびっくり。作者のウェイン・カーソン・トンプソンはボックス・とップスの主要曲を書いています。同じ年に「The Letter」(Bell)というデビュー作が出て、ここから"Neon Rainbow"(#24)もヒット。プロコル・ハルムの"A Whiter Shade Of Pale"や"Everything I Am"での黒い喉ぶりは、ジョー・コッカーも意識したでしょう。68年のセカンド「Cry Like A Baby」は、より南部っぽい音でel-sitarがビュンビュンうなるタイトル曲は#2まであがった、ダン・ペン=スプーナー・オールダム作品。ミッキー・ニューベリー作の"Weeping Analeah"も収録。68年にはもう1枚「Non Stop」もリリース。ここには"Choo Choo Train"(#26)が入っていました。最終作となった「Demensions」('69)から"Soul Deep"(#18)のヒットが生まれましたが、この曲は忘れもしませんが、パット・シモンズの来日公演で相方のクリス・トンプソンが歌いました。
95年にAristaから出たこのベスト盤(その後いろんなベストが出ています)は、すべてのシングル曲が入ってるわけではないやや中途半端な内容ですが、南部の白人R&Bバンドのたどってきた道がわかります。決してロック方向に進むわけでなく独自の路線を貫いたチルトンは、バンド解散後ソロを経てビッグ・スターを結成します。


ボクサー(Boxer)

末期スプーキー・トゥースの「The Mirror」('75)に参加したマイク・パトゥー(vo)が解散後、オリー・ハルソール(g〜元テンペスト,パトゥー)、キース・エリス(b〜元ジューシー・ルーシー,VDGG)、トニー・ニューマン(ds〜元ジェフ・ベック・グループ、メイ・ブリッツ)と結成したハード・ロックがボクサー。Virginには珍しい存在だった。デビュー作「Below The Belt」はセクシーなジャケで有名。2枚目「Bloodlettering」は76年にレコーディングされたがリリースは解散後。77年の3枚目「Absolutely」は大幅なメンバー・チェンジがされていて、パトゥー、ティム・ボガート(b,vo)、エイドリアン・フィッシャー(g)、エディ・テュードリ(ds)、クリス・ステイントン(kb)というラインナップ。昔持ってた米Epic盤LPは、ジャケ違い。ハードロック呼ぶには音は変化球過ぎるが。