1)それからペクレナトルホポワ:さねよしいさ子

90年に出た2枚目「ペクレナトルホポワ」は架空の街を歌ったタイトル曲のせいでファンタジーっぽいコンセプトアルバムと思われる節があるけど、もちろんそんな事はない。これはエンディングに収められたタイトル曲のリプライズで、よりアコースティックなarr。さねよしの歌い方には好みが分かれるだろうけど、90's初めには熱心にライヴに通ってた僕にはもちろんOK。栗コーダー・カルテットの栗原正巳はさねよしBand出身でここではbassを弾く。

2)On The Bridge:Bridge
SPRING HILL FAIR
フリッパーズ・ギターのコーネリアスのレーベル、トラットリアからデビューしたブリッジは、ネオアコというかギター・ポップな世界。それ以前にはカヒミ・カリイと共にCrue-Lというインディーでオムニバスに参加していた。大友真美のvoはお世辞にもうまくないけど、これもライヴに足繁く通ってた僕にはたまらない魅力があった。トラットリアからのデビュー作「Spring Hill Fair」では全曲英語だが、カタカナのルビがふってあった歌詞カードを見た時は唖然としたなあ。bはソロになったカジヒデキ。リリースは93年。

3)Army Dreamer:やまがたすみこ

僕の高校時代のアイドルの一人だった、スミ、ことやまがたすみこは、80年の「エメラルド・シャワー」をもって結婚引退してしまったが、その後はダンナの井上鑑と組んでCM音楽など裏方の仕事が多く、人知れず活動。03年に出したカムバック作「歌が降りてくる」に収められたこの曲は、ケイト・ブッシュの「魔物語」からの"夢見る兵士"の日本語カヴァー。雰囲気はオリジナルにかなり近く、初めて聞いたときは本当にビックリした。

4)声−Voices:五島良子
The Musical chimes
ベッツィ&クリスのヒット曲をカヴァーしてたキューン・ソニー時代の五島良子ナチュラルなイメージだったが、息詰まったのか、髪型をアフロにして、ポリスターに移籍し、音楽もハイトーンなvoを生かしたファンキーなブラック路線にスイッチし大きくイメージ・チェンジ。折からのクラブ・ミュージック・ブームに対応した97年作「The Musical Chimes」からのこの曲は、ティン・パン・アレーっぽいグルーヴがなんとも70's的。

5)硝子坂:木ノ内みどり
74-76 ぼくらのベスト 木之内みどり アナログ・アルバム完全復刻 package1
竹中直人夫人の木ノ内みどりも僕の高校時代のアイドルの一人。高田みずえで知られるこの曲は、宇崎竜童が書いたもので77年のLP「硝子坂」のタイトル曲。arrはバックを務めたラスト・ショーが担当したカントリー・ロック風のもの。村上律の弾くsteel-gが印象的。



6)猫の耳たぶ:NOKKO
ベランダの岸辺
レベッカ解散後いきなり地味になった感じがするが、のっこのこれは98年の「ベランダの岸辺」からのボッサなナンバー。ユーミンの”ベルベット・イースター”のカヴァー目当てで買った1枚だったけど、この曲が一番好き。prodはライダースの白井良明。作者は川村結花

7)リベルテ:SOY
SOY 2
山弦平松八千代(vo)を加えたSOYの00年の「SOY2」からのこの曲を聞くと、相変わらずうまいなあと思う反面、スリルもないなあと感じてしまう。そのスリルのなさこそが魅力といってしまえばそうなんだけど。詩は鈴木祥子が担当。

8)Crescent Moon:都築恵理

都築恵理は2枚のCDを残して消えてしまったssw。魚喃キリコの描くジャケットが印象的だったデビュー作「freely」('98)にはスカパラ関係、ヒックスヴィルの小暮が参加。この曲は元ブリッジの大橋(Pate)がarrした繊細な感じのナンバー。

9)風が吹いていた:イノトモ

これはシングル「風と花」('98)のカップリング曲で、2枚目「風の庭」に収められたシンプルなフォーク・チューン。

10)さよならは夜明けの夢に:杏里

今では作風がわかりやすいけど、デビュー直後の杏里はずいぶん模索していた。3枚目にあたる「哀しみの孔雀」('81)では鈴木慶一がprod。この曲はライダーズの「イスタンブール・マンボ」からのセレクトでバックはライダーズの面々。他にもシネマの連中が参加した曲もある、いかにもあの頃らしいもの。現リー・リトナー夫人(!)。

11)ノワイエ(溺れるあなた):石堂夏央

ゲンズブール・トリビュート '95

ゲンズブール・トリビュート '95

あがた森魚監督の「オートバイ少女」でデビューした石堂夏央はいったいどうしたのだろうか?自殺未遂したという情報もある。これはセルジュ・ゲンズブール・トリビュートから


12)銀色海岸:河合その子

ラストでやっとアイドル・セレクトみたいになったなあ。90年に出た河合その子のラスト・オリジナル作「Replica」から。まあ時代柄コンピューターで打ち込んで作られたkb類中心の音楽で、生っぽさを感じられないのが残念だが、最後の最後に自作曲をずらっと並べ、あっさりと結婚引退してしまった潔さも印象的だった。僕はこの時期のライヴを見ているのだけど、最後までおニャン子クラブ時代からの「熱心なファン」に翻弄された可哀相な感じだった。

bonus track)Never My Love:鈴木祥子


アソシエーションのカヴァー曲。シングル"Angel"のカップリング曲。