light#2

Love Lifts Us Up: A Collection 1968-1983

Love Lifts Us Up: A Collection 1968-1983

■Shine A Light / Jennifer Warnes
その昔70's後半のレコード・ショップのジャンル分けのコーナーにはロック、ソウル(死語)、ジャズに交じって男性ヴォーカル、女性ヴォーカルのコーナーが必ずありました。女性ヴォーカルのところには、更に細かい仕切りがあってオリヴィア・ニュートン・ジョンリンダ・ロンシュタットカーペンターズなんかがあって、仕切りがないところには、ヘレン・レディ、シャーリー・バッシーやら、ナナ・ムスクーリシルヴィ・バルタンまで要するに、MOR色の濃い、非ロックな女性voがそこに入っていたのでした。
70's後半に空前のONJのブームがあり、ウエストコーストの歌姫として、リンダ・ロンシュタットの人気が高まると、各レコード会社もそのフォロワーを探し始めました。ニコレット・ラーソン、カーラ・ボノフヴァレリー・カーター、グレンダ・グリフィス、ベッキー・ホブスといった新人からマリア・マルダー、ジュディ・コリンズ、ジョニ・ミッチェル、タニヤ・タッカー、フィービー・スノウといった中堅〜ヴェテランまで各社盛んにプッシュしていましたが、ハート、パット・ベネターなどのロック系は、別物と考えられていたのは、女性vo=非ロックと考えられていたからです(そのうちグラミーでもロック・ヴォーカルという概念が出来、いろいろ変わってきたのですが)。

さて、多くのリンダ・フォロワーの一人として77年に再デビューしたジェニファー・ウォーンズは、かつてジェニファーとしてParrot、Repriseに3枚のLPがあった人です。4枚目となる77年の「Jennifer Warnes」はAristaからのリリースで、LAから登場したわりにフォーク・カントリー色は薄く、どちらかというと落ち着いたMOR的なイメージでした。すでにReprise盤の素晴らしさ、知的なメガネ美人のジェニファーに関しては一方的なラヴレターを綴りまくっているのですが、このアルバムからのヒットシングル"Right Time Of The Night"(星影の散歩道)は、イマイチでした。プロデュースはジム・プライスで、当時のLA周辺のスタジオ・ミュージシャンが参加していますが、演奏は匿名的です。ゴスペル風の"Shine A Light"は、ローリング・ストーンズの「Exile On Main Street」からのナンバーですが、なかなかソウルフルでいい感じです。オリジナルアイテムが、未CD化なので、画像は豪Ravenのコンピレーション。相変わらずジャケットのコラージュがひどいです。