[o.s.g.s]Sad Cafe / The Eagles ('79)

ゲストのsax奏者の素晴らしいソロがある曲(長いな)つづき。
まずは、今もってスタジオ最新録音フルアルバム(と言うのが悲しい)の「The Long Run」から。イーグルスのブログ http://hello.ap.teacup.com/wastedtime/ は更新がずっと止まったままだけど。
このアルバム、ジャケットのダークな色合いが、そのまま内容を指してるようだ、と言われるが、それはこじつけの気もする。kbやsynが淡いトーンで流れるものが多くて、前作「Hotel California」とは明らかにタッチが違う。僕としては「同じことやってもいいんだよ」、という気分だったけど、「変わらなきゃ」というバンドの姿勢が、同じスタイルにとどまる事を許さなかったんだろうなあ。

さて、デヴィッド・サンボーンのすすり泣くようなalto−saxが素晴らしいこの曲は、LAにあったクラブ(ライヴハウス)、トゥルバドール(と、そこにたむろしていた若く野心に満ちた日々)を歌ったもの。「成功」を夢見て、「愛」や「自由」という言葉で世界を変えられると信じていた日々。僕が好きなのは「かなった夢もある、消えてなくなった夢もある、そしていくつかはサッド・カフェの奥にとどまったまま」と言うくだり。ドン・ヘンリーグレン・フライジョー・ウォルシュ、J・D・サウザーの共作。
79年の9月、初めて見たイーグルスは、名古屋国際展示場(現ポートメッセなごや)だった。どうやって行ったのか覚えてないが、バスに揺られて結構かかった気がする(同じような経験は、MZA有明もあった。あそこはいかにもバブルと言う感じの建物だったなあ。けど当時住んでたのは、西大島だったから近くて遠い距離だったのだ)。
当時披露された新曲は、”In The City”(これは映画「ウォリアーズ」のサントラで、ウォルシュ・ヴァージョンが一足早く公開)、”Heartache Tonight”、"I Can’t Tell You Why”だった気がする。
カントリーロッカーだったティモシーが歌う、ブルーアイドソウル的なこのナンバーは、悪くはないけど、ティモシーには似合わない気がする。”Heartache〜”はdsの音が昔から嫌い。これも一歩間違えば、スペクター風のウォール・オブ・サウンドだ。 だからよく聞くのは、フェルダー=ウォルシュの2本のgがからむ、”Those Shoes”だったりする。

当時熱心に聴いていた(メモ取ってた)「ナガオカ・ワールド・ミュージック」は、小林克也のDJ。キャッシュ・ボックス紙(今はない)のトップ20の電話インタビュー番組だけど、初登場#1だったゼッペリンの「In Through The Outdoor」を蹴落としたのが、同じく初登場#1のイーグルスのこのアルバムだった事は、記憶に新しい(すごくコーフンしたのだ)。

ロング・ラン

サンボーンにも一言。ジャズ界を代表する人だけど、元々はウッドストック周辺の人で、バターフィールド・ブルーズ・バンドがホーンセクションを導入したアルバムで、プロデビュー。その後、ジョン・サイモンのジャズ的な「Journey」、ベター・デイズの1枚目、ファビュラス・ラインストーンズの2枚目など地元の作品を経て、ギル・エヴァンスのグループに参加。サンボーンの吹く、altoは素人にも良くわかる特徴的なトーンあり。個人的にはリンダ・ロンシュタットの”アリソン”のソロが一番かな。ソロも多数あり。