9 ■■ 三十九夜('35英)

監督:アルフレッド・ヒッチコック
主演:ロバート・ドーナット、マデリーン・キャロル

イギリス時代のヒッチコックって僕から思えばやっぱり過大評価な気がする。話法が古くさいのは、70年前の作品なので仕方ないが、うまく出来ているとは思いつつ、やはり50’sの作品を見ることが多いかな。僕が一番ヒッチコックに夢中だったのは、80'sの後半だけど、その頃はイギリス時代の作品は、一部を除くとなかなか見られなかった記憶。これは「暗殺者の家」(後に「知りすぎた男」としてリメイク)のヒットによって題材を自由に選べるようになった、ヒッチコックが、ジョン・バカンの小説「39階段」を映画化したもの。邦題はまったく意味不明だが、邦訳も出てなかった小説なので、「階段」よりも「夜」のほうがなじみやすいだろうと言う観点で、付けられたと言う。テンポの速い巻き込まれ型のサスペンス。円熟味は当然ないが、スコットランドの荒地の農家でのやりとり(台詞を排して目の動きだけで感情を表現)が素晴らしい。今週のNHK BS2はイギリス時代のヒッチコック特集だけど、「バルカン超特急」は見る予定。
39Steps、British Gaumont、1h28、b&w
三十九夜 [DVD]