#2

Have a Nice Day
70年のヒット12曲

  • 今ではソフトロックの範疇に入ったりしてる(どう考えてもおかしいが)、エジソンライトハウス*1Love Grows(邦題は「恋のほのお」)だけど、分厚いストリングスのarrがトゥー・マッチだ。ただメロディはとてもよく、arr次第では生きる曲かも(とはいってもこのarrを大多数の人が気に入ってるのだけど)。英国のセッションシンガー、トニー・バロウズをフィーチャーした架空のスタジオグループ。命名権を誰が持ってるのか知らないが、他のシングルでは別の人が歌ってたりする。演奏もスタジオミュージシャンで、非常に匿名的。こういう覆面プロジェクトが、この時期英米含め多いのだ。最近では映画「愛しのローズマリー」のエンディングに使われ、思わずグッとなった。#5。レーベルはCBS系のBell。

  • ショッキング・ブルーの成功に続けと、オランダのバンドがチャートを席巻(というほどでもないか)したのもこの頃。Ma Belle Amieは、ティー・セットという4人組で、レーベルもショッキング・ブルーと同じコロッサスだった。どちらかというとイタリア的な歌い上げる曲。オルガンが印象的。#5。
  • ノーマン・グリーンバウムという人は、もともとジャグバンド出身で地味な土くさい音楽をやってたが、Spirit In The skyの大ヒットは彼の生活を文字通り変えてしまったらしい。ただこの反動で作られた「ペタルマ」というアルバムは農園を営み、自然と共に生きる喜びが歌われた「ナチュラル」な1枚で日本では、ライ・クーダーの参加もあって人気が高い(昔で言うところの「ジーンズロック」か)。僕は嫌いですが。#3。
  • マーマレイドは、”オブ・ラディ・オブ・ラダ”をカヴァーしてヒットさせたイギリスのバンド。アメリカでの最大のヒットはこのReflections Of My Lifeで、しっとり系の歌声。地味ですが悪くないです。#10。ちなみにジャムよりもマーマレードの方が好きですが、音楽に限っては逆です。
  • For The Love Of Himなんて全く忘れてた曲。調べてみるとボビー・マーティンはブルックリン出身の女性シンガーで、この曲はトニー・ハッチ的なゴージャス感あり。CDのライナーでは「タミー・ワイネットの”スタンド・バイ・ユア・マン”みたく、あなたの支えなくては生きていけないの的な歌で、ウーマン・リブ団体から総スカンくらいそうな」とある(大意)。#13。
  • キムタクのCMに使われて有名になった(それより前にタランティーノが映画で使った)、ジョージ・ベイカー・セレクションのLittle Green Bagは、確かに耳触りがよく印象的な曲。これもオランダのグループで、コロッサス・レーベルから。#20。
  • ポピー・ファミリーはカナダの4人組で、スーザン&テリーのジャックス夫妻をフィーチャー(テリーはその後ソロとして成功する)。Which Way You Goin’,Billy?は、#2まであがったヒットで、いかにも70’s初めらしいMOR的な要素がある。切々と別れたくはないわ、ビリーを繰り返す(I’ll stay your wife、なんて歌詞も)情念の歌。邦題は”ビリーの別れ道”。#2。
  • エジソンライトハウスのトニー・バロウズは当時引く手あまたで、いろんなバンドで歌った、さすらいのセッションシンガーだけど、ホワイト・プレインズのMy Baby’s Love Lovin’もそう。まあ明るいバブルガムというくらいで印象が薄いけど、後にドリー・パートンが似たようなメロディのヒット曲を歌った。
  • Vol.1に続いて登場のヴァニティ・フェア。イントロにリコーダーを持ってきたHitchin’A Rideは、軽快なメロディのナンバー。#5。
  • ブラザーフッド・オブ・マンもトニー・バロウズがらみにイギリスのスタジオ・グループ。こちらは男女コーラスで、ファミリー的ムードも出してる。United We Standは#13。
  • レイ・スティーヴンスという人は、アンディ・ウイリアムス・TV・ショーなどTVの世界で活躍した人。Everything Is Beautifulは、初の#1となった曲で子供たちのコーラスをフィーチャーしたもの。タイトルといい、まあ時代の空気なんでしょう。
  • ラストはヘアーのオリジナル・キャストのメンバーだったという、ロビン・マクナマラの#11まで上がるヒットLay A Little Lovin’ On Me。実は女性だとばっかり思っていたが、これを書くにあたって検索すると男性だった(!)。軽快な曲だけど何か足りない。

*1:エディソンと書きたいのはやまやまなんだけど