サマー・シェイド:やまがたすみこ

Finyl2005-02-27

CDで買いなおして改めて聞くと、いろいろ思い出した事があったので、再び。
ちなみに前に書いたのは、所有していたLP(盤の状態がひどい)だったけど。
コロムビア(Blow Up)時代は、フェイドアウトがいつも早いなあというのがあった。まだ歌詞が聞こえるのに、無残にフェイドアウト。これは意図的だったのか、それともこういうものと会社が考えてたのか。今回のCD化でもその辺は改善されず。そういえば参加ミュージシャンのクレジットは相変わらずない。今聞くとオールディーズ風のアレンジの曲(”ステキなゲーム”、”貸し切りハイウェー”)が気になる。あの当時ですら、なんかヘンだなあ!と思ってた曲。それまでの叙情派フォーク路線から、イメージチェンジして暗中模索ぶりが伺われるのか?アコギの名手、吉川忠英の作品”白い桟橋”は、無国籍風の歌詞で、「さよならは言わないで、お願いだから、船が出るまで、もう少し」なんてね。「いやな雨」と歌う一方、「日曜の雨は大好き」と歌われる”雨の日曜日”は赤い鳥の渡辺俊幸の作品。荒井時代のユーミンを思い出しちゃうのは、”雨のステーション”のせいかな? 歌詞にマリア・マルダーが出てくる”琥珀色のスウィング”は、マルダーの名前をこの曲ではじめて知ったことを思い出す。”絆”はスミに激情あふれる歌い方がドラマティックな曲。昔は苦手だったけど、今は冷静に聞ける。 ベストトラックはなんと言ってもカントリーロックの”青い径”。これも歌詞が印象的。十代の頃にこの曲と出会っててよかったと思える。
有名な”夏の光に”は、ボサノヴァ風のナンバー。これ”神田川”の喜多条忠の歌詞だったことに気が付いた。忍び寄る別離への不安を描いた”カットグラスの映像”は、明るい曲調と詩の内容がミスマッチだが、今から思えばこれが魅力かも。ラストの”11月の風”は、アレンジ的にユーミンの”海を見ていた午後”みたい。ただこっちは和風のメロディで暗いが。
木村ユタカ氏による、03年のスミのインタヴュー付き。なんと最近の写真も載ってて、それがあまりに変わってなくて、感激する。