I:イノトモ

Finyl2005-03-03

このコーナー久しぶりだなあ。

イノトモの名前を知ったのは、benzoのデビュー作だった。同じクラウンからアルバムを出してるsswとのこと。さっそく聞いてみたのが”愛のコロッケ”の入った、デビュー作「グレイプフルウツ」(’98)。あの頃はこういう現在進行形の日本の音楽も一応押さえてたのだな、と嘆息する。
井上ともこ、というのが本名だそうだ。略してイノトモ。そのファーストは、いくつかの耳に残る曲は、あるものの一本調子というか、同じ感じがず〜っと続いてる事もあって、そんなに聞き込んだという具合ではなかったけど、コンスタントに出たマキシシングルは、買い集めた(CMなど、タイアップも多かった)。
ドラマティックな”星と花”はサニーデイの曽我部がprod。
ネタンダーズと組んだ”タンポポ”は軽快な感じで、レノンの”ジェラス・ガイ”のカヴァーもあった。
星と花
そして00年に出た「風の庭」には名曲、”坂道”を収録。元はちみつぱいの駒沢裕城(steel)をフィーチャーしたカントリーロック。私生活でもbenzoの平泉氏と結婚、K君(うちのKと同じ名前)を出産、いくつかの曲では、母となったよろこびが、愛情あふれる歌詞に、盛り込まれてる感じもある。
やさしい手。
「やさしい手」というアンプラグドなミニアルバムは、シンプルな自宅録音がゆえに「うた」が浮き彫りとなった1枚。ジャケットのイラストも好き。

04年9月、やっと今池Tokuzoでワンマンのライヴを見ることが出来た。アコギ2本、ウッド・ベース、ドラムといったシンプルな編成でカヴァーを含めた、2時間弱のステージは非常に密度の濃いものだった。手が届くところにイノトモの歌とは、何という幸せ。
アンコールで歌われた”シロツメ草”は、「グレイプフルウツ」に入っていたもの。ちょっと泣けた。