かかしのブルース / 加川良

ブルースつながり。
たまには和ものも。ブルーズと言いたい所だけど、スだからしょうがない。
”教訓”で知られるURC出身のフォークシンガー、加川良だけど、僕にとってはほとんどこの「アウト・オブ・マインド」(’74)の人。ベルウッドに残した唯一の作品。結局ちゃんとした形でアルバムを残せなかった、鈴木茂(g)率いるハックル・バック(田中章弘(b)、林敏明(ds)、佐藤博(kb))が加わっている。アルバムのリリースが、74年10月なので、「バンドワゴン」録音の為の渡米前のものだろう。この時期にハックルが結成されていたというのは驚きだけど、鈴木のローウェル・ジョージ・スタイルのスライドgが、渡米前に既に完成されてるというのもすごい。ハックルが参加したのは、”2分間のバラッド”とこのかかしのブルースだけだが、とりわけ後者は、疾走する演奏が素晴らしい。それに引き込まれるように加川良のvo(テンポ的にはブルーズではないが)もいい。
ハックルは、これともう1枚、西岡恭蔵の「ろっかばいまいべいびい」に参加。オーディオ・フェア用に録音されたカセット音源(後にCD化)は、「バンドワゴン」曲の再演中心であっという間に終わってしまうのが残念だ。
アウト・オブ・マインド