Ring Your Bell / The Band

bellつながり
ザ・バンドの最高傑作は、初期の「Music From Big Pink」(もしくは「The Band」)、後期の「Northern Lights−Southern Cross」と人によって分かれるだろう。個人的にはやはり初期の、老成してるけど実は若い、古いバラッドみたいな曲の数々に惹かれるけど、この円熟味を帯びた「南十字星」も捨てがたい。曲のクレジットは、すべてロビー・ロバートソン単独で、この問題は後にメンバー間でもめる原因となるのだが、当時は(それを含めたメンバー間の緊張を)知るよしもなかったのだ。
マリブのシャングリ・ラ・スタジオで録音されたこのアルバムは、”Acadian Driftwood”、”It Makes No Difference”という2大名曲を含み他の曲がかすんでしまう嫌いがある。このRing Your Bellもそうで、イントロのファンキーなリズムにリック・ダンコ、リチャード・マニュアル、リヴォン・ヘルムの3人がハモる感じなど、一見地味だけど(でもB面1曲目だ)捨てがたい魅力がある。このアルバムは、ディランとの全米ツアーで見せた、ガース・ハドスンのsyn類への取り組みが実になった1枚でもあり、縦横無尽に弾きまくるガースのプレイは、ある種プログレ的でもあったのだ。
Northern Lights Southern Cross (Remaster) (紙ジャケ)