風の世界 / シュガー・ベイブ

SONGS
風つながり。
あまり言われないが、シュガー・ベイブは男女それぞれのヴォーカリストが個々に曲を作り歌った、日本最初のグループとか。そういえば、そうか。山下達郎の存在があまりに大きいバンドだが、ター坊こと大貫妙子も忘れられない。75年に出た唯一のアルバム「ソングス」(タイトルは、B・J・トーマスの同名のLPから)には、ター坊の曲が3つ収められている。
”蜃気楼の街”は後にソロで再演する(「ロマンティーク」)もの。”いつも通り”もある時期ステージでよく歌ってた(僕がター坊を見たのは、一度だけ「シニフェ」のツアー、新潟だった。バックはすべて打ち込みで、2台のkb/synだった)もの。
そして残った風の世界は、彼女自身「当時はシュールなラヴソングにしようと思って書いたが、今思えば稚拙なだけ」と語っており封印されたナンバー。けどこの空気感がなんともせつなく素晴らしい。村松邦夫によるgも悪くない。
初めてシュガー・ベイブを聞いたのは、ナイアガラがCBSソニーから出た80’s初めだった気がするが、最初はあまりカラッとしてなくて意外な感じだった。