Get Rhythm / Ry Cooder

Get Rhythm
〜getつながり
久々の新譜が出たライ・クーダーだが、この人の場合どうしても「お勉強」的な部分が気になるのだ。非ロックというよりも非ポピュラー音楽からのエッセンスをまぶした、その音楽は多分に研究的な意味合いがある。特に初期。僕は「ライ・クーダー登場」を聞いたとき(どこか中央線沿線の中古屋〜吉祥寺か高円寺〜)すごく疎外感を感じた事を思い出す。
とはいっても70’s後半のクーダーは、パイオニアのカーステレオのCMに出たり、とそれなりにポピュラーな存在になる一方、音楽も大衆的な感じになっていったのだ。
一時期映画音楽にどっぷりつかり、盟友ウォルター・ヒル監督作品を中心にインストの世界に出かけたきり、なかなか帰ってこなかった彼が、久々に出した歌ものが87年の「Get Rhythm」。同時期に確かこれまた久しぶりの来日公演も行われたと記憶するが、このタイトル曲は、それこそスライドが炸裂するわかりやすいナンバー。オリジナルはジョニー・キャッシュで、ここではボビー&テリーのコーラスもフィーチャー。
思えば、英パブロック出身のエルヴィス・コステロコステロ・ショーで、アメリカの音楽に触れ、ニック・ロウがジョン・ハイアットを介してクーダーと交流を深め、リトル・ヴィレッジというバンド(全く面白くなかったが)を作るのもこの頃だ。