Flight Of The Dove / The Souther Hillman Furay Band

Souther Hillman Furay
〜鳥シリーズ
74年に登場したSHFバンドは、今となってはアサイラムの社長(当時)のデヴィッド・ゲフィンによって作られたバンドという事がわかっているが、リアルタイムで聞いてきた人はこのニュースにわくわくしたろうな。ポコを辞めたリッチー・フューレイ、バーズ〜フライング・ブリトウズ〜マナサスのクリス・ヒルマン、イーグルス周辺のssw、JDサウザーの3人をフロントに、ジム・ゴードン(ds)、ポール・ハリス(kb)、アル・パーキンス(g)がバックをつとめる6人組。
知名度こそ一番低かったが、サウザーが4曲書いて歌う、事実上のリーダーシップをとる。とは言っても三頭バンドで、各人が歌う曲を持ち寄ってのもの。まとまりという点ではないかもしれないが、3人のバランスが少なくともこのファースト「The SHF Band」では取れていた(2枚目になるとフューレイが後退、結局は脱退〜解散の布石となる)。全曲素晴らしくウエストコーストロックのグレイテストヒッツ的な内容で、サウザー作の”Border Town”(ジョー・ララとゴードンのプレイがなんともスリリングだ)、ヒルマン作の泥くさいロックンロール”Safe At Home”そして、リッチー・フューレイのハイトーンのvoが冴えるFlight Of The Doveがベストトラック。リッチーの場合ポコの「Crazy Eyes」のアウトテイクだった”Believe Me”のドラマティックな味も捨てがたいが、どの曲もポップでメロディアス。カントリー・ロックという枠には入りきらない名曲だ。