第13回セレクト合戦・曲目発表

第13回セレクト合戦は、「タイトルつながりセレクト」。僕はオーソドックスに人名で決めてみました。今回和ものは断念。あとソウル系のセレクターの方には、ちとつまらん感じでしょうが、ご勘弁を


1)I'll Remember Jimmy : Miss Cathy Brasher

これはいつもの路線。まずは60'sのガール・シンガーから。Miss Cathy Brasherは、詳細不明ですが、この人の声はかなり好みです。一般的にはおろか、ちょっと突っ込んだ方の間でも無名ですが、まだまだ埋もれた名曲は多いジャンルです。出典はM&Mから出たガール・シンガーのコンピ(実はシングル盤興しのハーフオフィシャルなのですが)「Dream Boy Vol.3」から。



2)William,It Was Really Nothing : The Smiths
Hatful of Hollow
デビューから2枚目まではSmiths大好きでした。12"を買ったりと割と熱心に聞いてた覚え。Johnny Marrの繊細な感じのgがカッコいい、これは2枚目「Hatful Of Horrow」(実はBBCライヴとシングル曲のコンピなのですが)に収められた当時のシングル。


3)Magdalena : Danny O'Keefe
Breezy Stories
それまでどちらかというとフォーク〜カントリー・ロック的なsswだった、Danny O'Keefeが、Arif Mardinのprodで、都会的に変身した「Breeze Stories」('73)から。Gordon Edwards(b)、Bernard Purdie(ds)らが参加した洗練された音ですが、Hugh McCrackenのslideがメロウな味を見せます。ジャケットほどノスタルジックではないです。P5さんがボツ曲にされてたようです。


4)Peter Gunn Locomotion : Freddie Starr & The Midnighters
60'sのTVシリーズ(ハードボイルド探偵もの)の「Peter Gunn」のテーマ曲(Henry Mancini作曲。後にArt Of Noiseもカヴァー)を発展させたノヴェルティなこの曲は、64年の作品。Freddie Starr & Midnightersは、マージーサイドから登場した無数のバンドの一つですが、いかにもキワモノっぽい。何故か日本のGo Go 3を始めガレージ・ロック世代にカヴァーされてるようです。See For Milesから出た傑作コンピ「Liverpool1962-64」から。


5)Timothy Grab : Vashti Bunyan
Just Another Diamond Day
Vashti Bunyanは、60'sにはVashtiの名前でアイドル的なガールシンガーだった人だけど、その後フォークの道に進み、Phillipsから70年に「Just Another Diamond Day」という傑作を出しています。prodはJoe Boydで、Fairport人脈が参加。なによりもはかなげなVashtiの歌声が魅力。ファンタシー的な色合いも濃いけれど、土や植物、動物を愛でたりする、平凡だけど、幸せな生活のさまが語られます。ショックさん、風来坊さんあたりは当然お持ちでしょうが・・・


6)Jenny : Sweet Thursday
Sweet Thursday
英国ものが続きますが、Sweet Thursdayは、Cat Stevens GroupのAlun Davies、後にMark=AlmondのJon Mark、セッションマン、Nicky Hopkinsをフィーチャーした6人組。音はフォークとジャズの中間で、69年という時代にはいかにも早すぎました。シンプルなこの曲は、かぐや姫の"好きだったひと"にも似たメロディー。Hopkinsのピアノが素晴らしいです。


7)Joanna : Cris Williamson

きよさん系の登場です。ギャラリーでジャケットを発見したのできよさんは、お持ちでしょう。よくは知らない人ですが、Ampexから出た71年のLPでNYのスタジオ・ミュージシャンが参加。よくあるLaura Nyroもどきの1人ですが、この曲は結構素敵です。


8)Sally Ann : Bonaroo

Bonarooは、Bill Cuomo(kb)、Jerry Weems(g/Edgar Winter Group)、Michael Hossack(ds/Doobies)らのB級「スーパーグループ」。75年にひっそりと出た唯一のLPは知らざれる、ウエスト・コースト・ロックの名盤でしょう。乾いたgのカッティングが気持ちいいこの曲は、よく歌うgソロと美メロが印象的です。


9)Maggie:Julie Miller
Broken Things
オルタナ・カントリー・シーンの歌姫、Julie Millerは、Emmylou Harrisのバック、Spy Boyのg、Buddy Miller夫人ですが、こういった音がルーツロックと呼ばれてもてはやされるようになったのは、90's終わりごろ。これは99年に出た「Broken Things」から。印象的なmandolinは、ラリー・キャンベル。


10)Roy's Song :Vince Martin

声はJ.D.サウザーに似てるので間違う人がいるかも。マーティンは、フレッド・ニールとも交流があったフォーキーなssw。これは73年の「Vince Martin」からのバラードで、シドニー・ジョージのflも印象的です。ゆるいスライドはママス&パパス関連のエリック・ホードかな?


11)Killing Of Georgie : Rod Stewart
Night on the Town
太平洋を渡ってからのロッドは全くつまらない、というのは英国ロックファンですが、僕なんかは、渡ってすぐの3枚は大好き。特にゴージャスな感じの「A Night On The Town」('76)あたりはね。これはやや長いですが、印象的なバラードです。


12)I Dream Of Jeannie〜Danny Boy : Joan Baez
Diamonds & Rust
ジョーン・バエズの声とロック調の演奏はつねに分離して聞こえてしまうような印象は歩けど、慣れてくると気にならなくなります。これはディランの物まねもある75年の「Diamonds & Rust」から。前半はスティーヴン・フォスターの、後半はアイルランドの有名なスタンダードから。特に”ダニー・ボーイ”は出征した息子を思う気持ち、更に失った息子の対する追悼の念がこめられた、というのが現在の定説ですが、甲斐バンドの"ダニー・ボーイに耳をふさいで”という曲の事を思い出します。


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