Tonight / Nick Lowe

Jesus of Cool
〜tonightつながり
ブリンズレー・シュウォーツ時代は、知名度もさっぱりなかったけど、ソロになってから過去のキャリアも評価されたという点では、ニック・ロウもボブ・ウエルチと似てるかも。
ブリンズレーのマネージャー、デイヴ・ロビンソンが設立したスティッフは、当初、エルヴィス・コステロ、ロウ。レイチェル・スウィート、リーナ・ラヴィッチ、レックレス・エリック、イアン・デューリーらを配した「パンクな」レーベルとして紹介されたが、今から見ると音楽的には全然パンクではない、むしろ姿勢が「パンク」だったのだ。
ニック・ロウの最初のシングルは、今でもステージでプレイされる”So It Goes”だが、「BOWI」というEPがあった。これは当時デヴィッド・ボウイが「ロウ(Low)」というアルバムを出してて、同じく[e]をとったタイトルにしたという。この辺のセンスがパブロック的なユーモア(グラハム・パーカーのバックをつとめてたルーモアが、フリートウッド・マックの「噂(Rumours)」に引っ掛けて「Max」(同じ複数形)にした話も有名)。LPとしてはスティッフから出ず、ジェイク・リヴェラらスティッフのスタッフが独立して作ったレーダーからのリリース。「Jesus Of Cool」は、辛口ポップな曲から、甘いものまでヴァラエティに富んでいる。当時78年の音楽シーンのテーマに「Back to 60's」があったが、Tonightなどはその典型で、甘いメロディがいかにもポップス的で楽しい。これはリーナ・ラヴィッチがデビュー作「Stateless」でも取り上げていた。