スティルス・ヤング・バンド

Long May You Run
■Long May You Run / Stills Young Band
スーパー・グループとまでは行かないが、ビッグネームの顔合わせは長続きしないというのは定説になっている。古くはPYG、カヴァーデイル・ペイジ、SHFバンド、リトル・ヴィレッジ、KGB、ディクティティヴ、ラフ・ダイアモンドetc(かなりスケールが違うけど)。バッファーロー・スプリングフィールドの再現と言われた、76年のスティーヴン・スティルスニール・ヤングの共演は、ヤングがスティルスのバンドに乗っかる形で実現。ツアー中に空中分解したのは、二人の強烈なエゴのぶつかり合いだったと言われる。残された唯一のアルバム「太陽の旅路」はスティルス・ファンの僕が聞いても、弁護が厳しい1枚。9曲中ヤングが5曲担当。ヤング&ナッシュのレアなシングル”War Song”を改作した”Ocean Girl”など寄せ集めっぽい感じの曲はあるが、ビーチボ−イズの”Caroline No”が歌詞に引用されるタイトル曲や”Midnight On The Bay”など佳曲はある。一方スティルスは当時ラテンに傾倒しており、いままで以上にラテン風味の濃いナンバーが並んでいるが、メロディに覇気がないのが残念。”Make Love To You”、”Black Coral”がかろうじて及第点といった印象を残す。バックはジョー・ヴァターリ(ds)、ジョー・ララ(perc)、ジョージ・ペリー(b)、ジェリー・エイエロ(kb)。当初はCSN&Yの再編がSYに移行したとナッシュは激高していたようだった。
かつて不評だったパープルの「カム・テイスト・ザ・バンド」が後に再評価されたように、このアルバムも再評価されることがあるのかな?