喫茶ロック〜ソニー編

喫茶ロック ソニー編
■喫茶ロック〜地球はメリーゴーランド〜ソニー・ミュージック編:various artists
音楽に細かなジャンル分けは必要ない、と言う意見もあるが個人的には細分化したジャンル分けには賛成だ。とはいっても音楽の性状とは違う切り口のジャンル名もあったりして、わかりにくいことも多い。フリーソウル、レア・グルーヴなんてのは今でも曖昧だったりする(ちなみに前者は「クラブで流される(フロアーウケする)「ソウルフィーリング」を持った音楽」、後者は「レアな(珍しい)過去の(忘れられた)音楽、の意味(グルーヴはLPの溝)で転じてこれもレアなソウルフィーリングを持った音楽」と解釈している)けど、この「喫茶ロック」も意味不明。要は70's当時喫茶店で流れてただろう音楽、転じてレア・グルーヴ@日本のロックという感じだろう。01年に各社こぞってコンピCD(カルトGSが一段落ついたら今度は70'sだとばかり)を出したが、このソニー編は後発メーカーだったCBSソニーと言うレーベルの「若さ」「スマートさ」を象徴した内容になってて、すがすがしさがかなり濃い。
最近CMで使われていたガロの"地球はメリーゴーランド"は奇跡のような美しいコーラスが印象的。成田賢の"やすらぎの世界"は、まるでカーペンターズの"スーパースター"だが、元ビーヴァーズのvoによるしっとりとした世界は貴重。MAOといえば今の旬は浅田真央だが(^^;;、このMAOはドイツと日本のハーフの少年(?)。これは72年のシングルで妙に現代的だ。岡林信康の"あの娘と遠くまで"は、まるでディラン&ザ・バンドのような演奏だ。当時中学生の姉妹、チューインガムの"動物達の世界"はドリーミーなソフトロック。なぜか野沢亨司のフォーライフ音源('77〜シングル"南へ遠く"は名曲だった)"君が気がかり"も収められている。中川イサトの名作「お茶の時間」からの"ゆうだち"は実に気持ちいい。その中川と活動を共にする村上律がはちみつぱいの渡辺勝らと組んだ、アーリー・タイム・ストリングス・バンドの"僕の家"は、ゆったりとしたカントリーロック。つのだひろとスペースバンドの"風ごよみ"は、イメージ違うソフトロック。幻の女性デュオ、杏の唯一のシングルのAB面がここで聞けるのもうれしい。