イアン・ゴム

SUMMER HOLIDAY
■Summer Holiday / Ian Gomm
ブリンズレー・シュウォーツ(バンド名)のリード・シンガーだったイアン・ゴムのファーストソロ(78年リリース)。「Summer Holiday」は、英Albionから出たオリジナルジャケではなく、僕の持ってる独LineのCDでは、同時期に米Epicから出た「Gomm With The Wind」(このセンスがパブロック〜言うまでもなく「風と共に去りぬ」のもじり)と同じジャケット。この米盤は、"Hold On"が思わぬヒットとなったからで、この時点でブリンズレーの同僚だったニック・ロウコステロよりも早くアメリカでヒット曲を出したというのが面白い。
マーティン・ランシェットがprodして、ハービー・フラワーズ(b)、バリー・デソウザ(ds)、クリス・パーレン(kb)といったスタジオ・ミュージシャンをバックにさらっと作り上げたこのアルバムでは、ポップでメロディアスでそれでいて小気味いいナンバーがずらり。当時こういった音はパンクと区別され、パワーポップと呼ばれた(スティッフの連中とか)けど、今ではパワーポップというとラズベリーズとかバッドフィンガーとかに使われるみたい。ビートルズの"You Can't Do That"やチャック・ベリーの"Come On"といったカヴァーもいいが(後者はレゲエ仕立て)、オリジナル曲でのメロディの冴えは少々意外だった。"Hooked On Love"は、ブリンズレー時代のナンバーの再演。これぞパワーポップといった、"Airplane"が素晴らしい。