ジューシー・ルーシー

Get A Whiff A This
■Get A Whiff A This / Juicy Lucy
節分なので鬼ジャケを・・・
最近紙ジャケで出たの旧盤(独Repertoire)が放出されていたのをサルヴェージ。紙ジャケが出ると買い帰る人って多いのね。はじめて買ったジューシー・ルーシーのLPだった。20年位前、まだ大学生の頃、深夜バスで上京して猟盤(当時は買い付けと呼んでいた)した際、下北フラッシュ(まだ今みたいな感じの店ではなかった)で購入。「泥くさい」らしいという噂があっただけで予備知識はほとんどなかった・・・
サイケデリックとブルーズ・ロックが一緒になったようなデビュー作からメンバーチェンジを繰り返すバンドだが、中心となっているのはグレン・ロス・キャンベル(steel〜とクレジットされるが実際の音はdobroとslide-gの間のようなもの)とクリス・マーサー(sax,kb)。2枚目から加わったポール・ウィリアムス(vo〜後にテンペスト)、ミッキー・ムーディー(g~後にスナフー、ホワイトスネイク)にロッド・クームス(ds)、ジム・レヴァートン(b〜後にファット・マットレス、最近では再結成キャラヴァンのメンバーとして来日)を加えた6人組。基本線はブルーズ・ロックだが、ムーディーの個性もあって米南部志向をあらわにしたアーシーなカントリー〜スワンプ路線も目立つようになった。"Mr.A.Jones"や"Sunday Morning"などの柔らかなカントリー・ロックはそれまでのバンドになかった味だ。積極的なカヴァーも目立ち、ここではボビー・ダーリンの"Harvest"、オールマン・ブラザーズ・バンドの"Midnight Rider"、スピリットの"Mr.Skin"をセレクト。ホワイトスネイク時代は、カーボーイハットかぶったスライドギタリストとして知られるようになるムーディーだが、ここではそれよりも鋭いスライダーのキャンベルの影に隠れがちではあるものの、きっと技を盗んだんだろうなあと推測できる。それほど縦横無尽に地を這うようなキャンベルのgはすごい(例えば"Big Lil")。dobroのような音を出す"Jessica"(オールマンズのカヴァーではない)では、このバンドの南部志向が垣間見れる。リリースは71年で、ヴァーティゴからブロンズに移籍。この後ポリドールでもう1枚出して解散する。#0612