杏里
■哀しみの孔雀 / 杏里
尾崎亜美の"オリビアを聞きながら"でデビューした杏里だが、ブレイクした"Cat's Eye"までは、かなりの試行錯誤だった。デビュー当時は、竹内まりや、堀川まゆみ(Reimyの姉)と共に3人娘的な扱いが多かったけど、この中では竹内まりやがキャンパスなイメージを打ちたて一歩リード。杏里は不発に終わった「feelin'」(悪くはなかった)を経て、ムーンライダーズの鈴木慶一のprodによる「哀しみの孔雀」('81)をリリース。ブレイクする夏、リゾート、ダンス・ミュージックとは全くちがうイメージ。New Waveとまではいかないが、佐藤奈々子、糸井重里、パンタといった作家陣から、従来の路線とは違うもの(異国を舞台とした主人公(少女)の物語)をアピール。具体的には、「悲しみよこんにちわ」のジーン・セバーグ(セシル)だったりするのだけど。
先日ヤフオクで落としたこのアルバムを聞くのは、10年ぶりくらい。その前に聞いたのはリリースされた81年ごろだったのだから、相当久々。そのCDには細かいクレジットがないので(フォーライフの手抜き!)記憶で書いてる部分はあるが、ライダースのメンバーも大挙参加。"異国の出来事","Face To Face","セシルカット","リビエラからの手紙"は、佐藤奈々子作品で、フレンチ(ポップス)路線が初期の河合その子を思い出したりする。"エスプレッソで眠れない"は、当時夢中で聞いてた記憶があるキャッチーなナンバー。"シルエット・オブ・ロマンス"は、松尾清憲の作品でシネマが参加したもの。violinは武川だろうね。"さよならは夜明けの夢に"は、ムーンライダーズの「イスタンブール・マンボ」に収められた曲のカヴァーとか。そんなこと知らずによく聞いてた記憶。#0616