Paice Ashton Lord

Malice in Wonderland
■Malice In Wonderland / Paice Ashton Lord
パープル解散後、クラシック趣味を生かしてプログレ的になるのでは?という予想だったジョン・ロードだけど、旧友トニー・アシュトン、そしてイアン・ペイスと結成したPALは、アシュトンの色が濃いファンキーな味付けのロックで、何処かにパープルらしさを期待した当時中学生の僕は、大いにずっこけた覚え。それでも飽きるくらい聞き込むと良さが判ってきたような気もしたが、やはり数年後に手放している(英盤はOysterから)。けれどこの時のリピートぶりがじわじわと後年効いてきて、RepertoireからのCDを購入。そして01年にオクラ入りした2枚目を含む17曲入りのPurpleからのCDを再度購入したのだ。
gとbはオーディションで選び、元ベイブ・ルースのバーニー・マースデン(g,vo)と元ストレッチのポール・マルティネス(b)が参加。特にマルティネスのファンキーなプレイは77年の英国ロックにしては異色で、後にロバート・プラントが起用したことでもわかる実力ぶり。アシュトン、ガードナー+ダイク時代同様ブラスや女性コーラスの入ったビッグ・バンド・ロックで、ロードとペイスは裏方に徹してはいるが、シンコペートする独特のdsやclavinetやorganの響きは彼らにしか出せないものだった。"Ghost Story"、"I'm Gonna Stop Drinkin'"、"Sneaky Private Lee"など渋い曲がいい。あまりに趣味的だったのか1枚で解散してしまうのが惜しいが。タイトル曲は"不思議の国のアリス"に引っ掛けてある。