ガスリー・トーマス


■I / Guthrie Thomas
76年に日本デビューしたガスリー・トーマスは、当時「ニュー・ミュージック・マガジン」などでもかなり好意的に迎えられた記憶。それ以前にインディーでの作品があるが、大手のCapitolが手がけた事、ニコラス・ヴェネのprod以下、ダン・ダグモア(steel)、ワディ・ワクテル(g)、ジム・ケルトナー(ds)、ジョン・ホッブスデヴィッド・フォスター(kb)らが参加した事もあったろう。ノーマン・シーフによるモノクロのジャケットも印象的だった。とはいっても76年、ゆっくりとAORに移行していた(ちなみにこの言葉はまだない)同時代のsswの中にあって、初期のディラン、もしくは名前の通りウディ・ガスリーを思わせるフォーキーなスタイルはずいぶん異色でリリースされてしばらくして入手したものを聞いて古臭いと思ったのも事実。
オープニングの"Rollin' Home"は、飄々としたムードが素晴らしい。ワディの強力なスライドの入った"Traveling Man"も好トラック。これに比べるとB面はぐっとレベルが落ちる感じで耳にあまり残らない。これは昔も今も同じだった。