風来坊さんセレクト

風来坊さんの曲目紹介はここ

Lookaftering

Lookaftering

普段白人による70'sロックばかり聴いてる身としては、ジャンルを越えたセレクト合戦には、ホント教わることが多いけど、ポピュラー・ミュージックの枠すら軽々と超えた風来坊さんの真夜中(の悪夢、とはご本人の弁)セレクトはすごいです。前作は14回のベストセレクトでしたが、今回は、少なくともそこまで好みの1枚ではないです(すいません)。けど聞いた中ではインパクト十分なセレクトでした。
TICAの(4)はビーチボーイズの名曲。きよさんではないですが、かきむしられるような美しさがあります。The Changという大好きなバンドを解散してまで石井マサユキがやりたかった音楽。35年ぶりの復活というヴァシュティ・ブニヤンの(6)もうれしい。これは唯一の手持ちでした。三輪眞弘による(3)は真夜中の森で繰り広げられる古えの宗教(くしくもこの語りは「さかいれいしゅうによる架空の宗教の教義」とか)を見てしまった少年の後悔というか恐怖というか、そんな感じ。富樫真彦の(1)、高嶋みどりの(2)と続く前半3曲は風来坊さんいうところの「1つのブロック」だそうですが、見事なまでの構成です。(3)にはカール・ジェンキンスがリーダーシップを取った後期のソフトマシーン的でもありました。全く未知のジャンルでしたが、(7)のSami Abadiも心地いい。音響派というとなんか難しい感じ(キャヴァレー・ヴォルテールとかスロッビング・グリッスルを思い出してしまうのです)ですが、そうではないのですね。門光子による(10)の美しさも格別です。メロディーが美し過ぎる音楽というのは、僕にとってこれまでそれほどほめ言葉ではなかったのですが、少し考えが変わりました。フリップ翁の(12)は最初伊福部明かと思いました。
kobbanovaさんの感想も聞きたいなあ。
とにかく野心的なセレクトです。ありがとうございました。