ボストン

Boston (Reis)
■Boston / Boston
プログレ・ハードなんてまったく判らない言葉(プログレ風でもありハードロック風でもあるならクリムゾンの"Schzoid Man"だってそうだ)で紹介されることが多い、ボストンはトム・ショルツを中心とした5人組ながら、大半の楽器をショルツがこなし、歌とds以外はワンマンバンドに近い。76年に出たファーストは、わかりやすくなったハードロックの最終形と当時も今も僕はとらえてる。ギュワーンというgのリフ(ギター型宇宙船のジャケットからスペーシーと表現されることも多かったのは、「スターウォーズ」に沸いた年だったからか)とメロディーは十代を熱狂させるに十分だった。大ヒット"More Than A Feeling"(宇宙の彼方へ、という邦題は気分でつけたろうね)と"Peace Of Mind"の入った旧A面の最後を締めるのはプログレ的様式を持った"Foreplay"と"Long Time"のメドレー。後半ではハンドクラップにgのリフ(アコギが効果的に使われている)が乗っかるあたりは、このバンドらしい。B面はA面に比べると地味だが、個人的にはこっちの方が好きかな。とりわけオールドスタイルのロックンロールでありブギーの"Smokin'"は痛快。"Hitch A Ride"あたりになると焼きなおし感が漂うけど。そしてラストの"Let Me Take You Home Tonight"は唯一ブラッド・デルプ(vo)の単独作。prodがジョン・ボイランであることを思い出す、メロウなカリフォルニアの音。
これは出たばかりのリマスター。やっとボロボロのLPとはおさらばだ。