ディープ・パープル

Mk III: Final Concerts
■MkⅢ The Final Concerts / Deep Purple
パープル解散後最初に出た発掘物が3期のライヴ「Made In Europe」だった。スモークがたかれ燃えているようなステージを後ろから撮ったジャケットが良くも悪くも印象的な1枚。これはリッチー・ブラックモア(g)が最後のツアーとなった75年の全欧ツアーの模様を収めたもので、96年にConnoisseur Collectionというレーベルから公演日は違うがフルセットが入った2枚組がリリースされた。それが本作。オーストリアグラーツ、パリ公演からの抜粋。ブラックモア在籍時は、決まった曲ばかりが演奏されるパターンとなっていたが、ここでも「Burn」、「Stormbringer」からの曲を中心に2期の代表曲を混ぜる按配。それでも「Stormbringer」から珍しくブラックモアが気に入ってた"Gypsy"がセレクトされていたり、"Highway Star"の前に"Goin'Down"(ドン・ニックス作で彼がいたモロクのヴァージョンがオリジナルだが、ジェフ・ベックがBB&Aで取り上げて、ハードロックの代表スタンダードになった感がある)があったりと楽しい(そうでもないか?)。普段聞きとおすことはあまりないので、新たな発見がいくつか。
1期の"River Deep Mountain High"でもイントロに使われた"ツァラストラはかく語りき"(デオダートで有名なあれ)のイントロが"Space Truckin'"で挿入されている。かつてLPの片面を覆ったこの長尺のライヴヴァージョンは、ここでは途中ブラックモアは引っ込み、グレン・ヒューズのパフォーマンス(4期の"Gettin'Tighter"のライヴで聞かせた"Dance To The Rock'N'Roll"も挿入)たっぷり。グラーツ版の"Mistreated"ではイントロの前に"Lazy"のリフ(ヒューズが"Mistreated"とMCしたのに!)、そして当時レコーディング済みのレインボウの1枚目(この時点ではブラックモアのソロ名義だった?)から"Man On The Silver Mountain"のリフが聞ける。あと"You Fool No One"の前のジョン・ロードのorganソロ(4期の日本公演でもあった)、途中に挿入された"Mule"のフレーズなどがおもしろい(くないか?)