スモール・フェイシズ

Darlings of Wrapping: Wharf Lauderette
■The Darlings Of Wapping Wharf Launderette / Small Faces
イミディエート時代のアンソロジー、といってもほぼ全曲を収めたもの。90's後半に再評価され続々と同じようなアンソロジーが編まれたスモフェだが、デッカ時代の血気盛んなモッズ魂あふれる時期よりも、どんどん音がファンキーにまたフォーキーになっていくイミディエート時代の方が面白い。これは英Castle傘下のSequelから99年にリリースされたもの。リリース順にシングル、67年の3枚目「Small Faces」そしてシングルをはさみつつ「Ogden's Nut Gone Flake」へと続く。
「Small Faces」は3枚目になるが、2枚目となるデッカの「From The Beginning」がコンピレーションに近い内容だったので、実質上の2枚目のフルアルバム。全曲オリジナルで初期のモッズ調は影を潜め(イアン・マクレガンのorganが炸裂するインスト"Happy Boys Happy"はあるが)、サイケデリックなムードが漂う。"Show Me The Way"や"All Our Yesterdays"はロニー・レインのスリム・チャンスに通じる世界だし、"Eddie's Dreaming"はハンブル・パイ的。クリス・ファーロウに書いたという"My Ways Of Giving"はロッド・スチュワートを迎えたフェイシズでもカヴァー。
ドラッグソング"Itchycoo Park"、ソウルフルな"Tin Soldier"をはさんで「Ogden〜」へ。
今は無き高田馬場のDiscatで購入したLPはとうの昔に手放したが(キングから出た、Charly音源のもの)、大作の"Happiness Stan"よりは小品の旧A面のものがいい。特に"Afterglow"はシングル・ヴァージョンよりもずっといい。マクレガンのorganがいかにも68年という時代を感じさせる音。シングルとなった"Lazy Sunday"の飄々とした味もいい。