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Journey's End / I'll Be There
■Journey's End / Matthew Fisher
プロコル・ハルムというと重厚なorganとメロディーが印象的なバンドだったけど、シンガーのゲイリー・ブルッカーの歌声も光って、思わずブルッカーがorg弾いて歌うという錯覚に陥るけど、ブルッカーはpianoで、初代のorgはマシュー・フィッシャーが担当。そのフィッシャーは初期の傑作「A Salty Dog」の後バンドを去ってproducerに転向。元同僚のロビン・トロワーのソロなんかを手がけていたが、グレープフルーツのジェフ・スウィッテンハム(ds)、エディソン・ライトハウス他のトニー・バロウズ(vo)、アイヴィー・リーグのジョン・カーター(vo)、元プロコルのボビー・ハリソン(vo)らをゲストに73年に出した初ソロ「Journey's End」(RCA)にはびっくりだった。プロコル時代の哀愁のorgをフィーチャーした曲もあるが、大半はポップでメロディアスなもの。しかもフィッシャーがorg,gを弾き、堂々歌っている。ポール・マッカートニータイプの曲が多くて、ブリティッシュ・ポップの底力を感じさせるような1枚。僕がはじめて聞いたのは、80'sはじめにRCAが廉価盤で出した日本盤だったけど、当時にしては珍しく輸入盤みたくヴィニールで覆われていて中を見ることも出来なかった覚え。様式美というのとは少し違うけど、英国以外では生まれなかっただろうポップな音だ。タイトル曲"Journey's End"は前半のPart1が歌もの、後半のPart2がストリングスを交えたインストパートで、堂々とこのアルバムを締めくくる。少し前に出た日本盤CDはもう廃盤なのかな。英BGOから2nd「I'll Be There」との2in1でCD化されている。