01[Songs To Remember Again]by#3
■Down By The River / Neil Young & Crazy Horse
ニール・ヤングという人の魅力はわかるけど、あそこまで熱狂的な評価というのは、なんかわかりづらい。初期のスタジオアルバムは、どれも名作とされているが僕には一長一短で、手書きの汚い歌詞カードみただけで、「Harvest」や「After The Gold Rush」は腰が引けてしまうのだ(もちろん好きな曲もある)。CSN&Y活動中の69年にリリースされた2枚目ソロで、ロケッツという名前で活動していた連中をバックにクレイジー・ホースを名乗らせた「Everybody Knows This Is Nowhere」は、初期の中でも攻撃的な1枚。"Cowgirl In The Sand"、"Cinnamon Girl"とならんで、代表曲である"Down By The River"が収められている。僕はニール・ヤングにそれほどこういうアグレッシヴなタイプの曲を求めてないけど、本来好きなはずのカントリーロック系のアルバムよりも、こちらに針を落とす(まだLPだ)ことが多い。70年のフィルモア・イーストでのライヴが去年Repriseからリリースされたが、これは長年噂されてきた「Archive Performance」シリーズの「02」にあたるもの。ビリー・タルボット(b)、ラルフ・モリーナ(ds)、ジャック・ニッチェ(p)、ダニー・ウィッテン(g)を従えたヤングは弾きまくるが、後年のグランジな世界とつながる部分はある。未発表曲"Wonderin'"も収録。prodがポール・ロスチャイルドというのが何となく泣ける。ウィッテンが歌う"Come On Baby Let's Go Down Town"は、後にウィッテン追悼の「Tonight's The Night」にも収められたクレイジー・ホースのレパートリー。
"Down By The River"に限ってはスタジオ・ヴァージョンの方がすっきりしているか?この曲は映画「いちご白書」にも使われているが、あの映画も久しく見直していない。ロイ・ブキャナンのカヴァーも聞いてみたい。