river#2

There Goes the Neighborhood
■Rivers / Joe Walsh
今では「ロックの殿堂」と書くと何だそれ!だけど、九段下の日本武道館というと、アリーナクラスが現れるまで、洋楽来日コンサートの殿堂だった。アリーナというかスタジアムでのコンサートが主流の今、武道館サイズは小ぶりという印象かもしれないけど、初武道館は、81年にひょっこりやってきたジョー・ウォルシュだった。前日ランディー・マイズナーの初来日を青年館で見て、くしくも新旧イーグルス対決となったが、前夜の黄色い声援(本当にそうだった。グレン・フライも苦笑まじりに「ランディーがステージで歌うと日本の(女性の)観客は我を忘れる」と語ってる)と比べるとこちらは、海兵隊の米兵の「Rock And Roll! America!」コールがうるさくて(^^)質実剛健ムード。ちょうどリリースされたばかりの「There Goes Down Neighborhood」(訳し難いタイトルだけど「愛すべきならずもの」とか雰囲気ダラダラの邦題をつけた当時のワーナー・パイオニアの洋楽部(80'sの「ウエストコーストもの」の、軟弱な雰囲気に満ちたイメージってワーナーのせいも大きい、これは宣伝に功罪あり)っていったい)と同じラインナップで、ラス・カンケル(ds)、ジョー・ヴァイターリ(ds,kb,fl)、ジョージ・ペリー(b)、ジェイ・ファーガソン(kb)にウォルシュ(g,vo)の5人組。個人的見解ながらウォルシュのステージの場合、もう一人gがいた方がソロに徹することが出来るので、落ち着くのだけど本人は仕切りたがるので、あまりない。この日も新作から数曲やったけど、悪く言うと大味な演奏。けどダイナミックな醍醐味もあって、当日券でアリーナという好条件もあったけど、僕は満足した記憶。その「Neighborhood」は前作「But Seriously Folks・・・」に比べると緻密さに欠けるけど、この人の持ち味である大雑把な感じ(ソロのどれもがそういう感じ)がよく出ている。シングルカットは、実は「So What」の頃の"A Life Of Illusion"だったけど、この"Rivers"もなかなかキャッチー。