city#3

●Down To The City / The Fabulous Rhinstones
ファビュラス・ラインストーンズは、元エレクトリック・フラッグのハーヴェイ・ブルックス(b)、元バッキンガムスのマーティ・グレッブ(kb,sax,g,vo)、元イリノイ・スピード・プレスのカル・デイヴィッド(g,vo)によるウッドストックのスーパーグループ。レーベルがParamount傘下のJust Sun Shineというインディーだったため全米的にはあまり知られておらず、日本での紹介もずいぶん遅れていたものだった。結局1枚目と3枚目はヴィヴィッドを通じて世界初CD化されたものの、73年の「Freewheelin'」は未CD化。prodはビル・シムジクで、ゲストとしてグレッグ・トーマス(ds〜後にロジャー・マッギン&サンダーバーズ)、デイヴィッド・サンボーン(sax)、ブレッカー・ブラザーズ(horn)、トゥーツ・シールマンス(harp)らが参加。フリーソウルの時代になってやっと評価されたのもわかるとおり、いわゆるウッドストックサウンドよりはラテン・ロック、ブラス・ロック寄り。けれど根底にはザ・バンド〜ベターデイズに流れる芳醇なアメリカン・ミュージックがある。マルチ・プレイヤーであるグレッブの存在は大きく彼の弾くアープ・シンセ(プログラミングはジョー・ウォルシュが担当したとクレジットがある)の少し古くさいが懐かしいトーンが印象的。そのアープにサンボーン(この人はバターフィールド・ブルーズ・バンド出身)のsaxが絡む"Down To The City"はベスト・トラックの一つ。またCTIからソロを出しているキャシー・マッコードが曲作りで参加した"Roots With You,Girl"やマッコードのコーラスが入った"Hurt Sombody"(リオン・ラッセルのカヴァー)も聞きものだ。