down#2

バーバラ・キース(紙ジャケット仕様)
●Tie Me Down / Barbara Keith
72年のリプリーズ盤「Barbara Keith」が思いのほか人気だった、バーバラ・キースは最近CD化されたジョン・ホールらとのカンガルーのメンバーとして68年に1枚、ヴァーヴ・フォアキャストからリリース。その後解散したもののヴァーヴ側はキースをメインとしたソロ製作を画策。ピーター・アッシャーがprodして、ボー・グランプスのジム・コールグローヴ(b)、N・D・スマート(ds)、更にこの二人とハングリー・チャックを組むことになるジェフリー・ガッチョン(kb)、そしてビル・キース(steel)、リチャード・カーティス(g)がバックを担当したのが、「Barbara Keith」('70)だ。NY録音でありながら、ナッシュヴィル産のカントリー・ロックを思わせる不思議な出来になっている。去年ヴィヴィッドより世界初CD化されたけど、個人的にはレアグルーヴな1枚として評価を受けた2枚目よりもこちらかな。ほぼ全曲ゆるいカントリー・ロックだけど、"The Ones Who Really Care"のようなライト・スワンプな味わいの曲があったり、キースの表情豊かなsteelが炸裂する"Tie Me Down"が素晴らしい。美麗というよりは幼さを残したジャケットも印象的。17年後、同じ幼さを残した風貌の女性シンガーが、そのルックスとは裏腹のパンチの効いた歌声を聞かせたが、くしくもキースの2枚目に収められた"A Stone's Throw Away"を取り上げていたことも奇妙な偶然だ。その女性シンガーの名は、ヴァレリー・カーター。